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今年3月末時点での法人税や消費税など国税の滞納残高が1999年度以降18年連続で減少したことが、国税庁が発表した2016年度租税滞納状況で明らかになった。
新規発生滞納額は前年度に比べ9.5%減の6221億円と3年ぶりに減少した上、整理済額が7024億円(前年度比9.3%減)と新規発生滞納額を大きく上回ったため、今年3月末時点での滞納残高も8.2%減の8971億円と18年連続で減少した。
今年3月までの1年間(2016年度)に発生した新規滞納額は、最も新規滞納発生額の多かった1992年度(1兆8903億円)の約33%まで減少。
また、2016年度の滞納発生割合(新規発生滞納額/徴収決定済額(57兆6516億円))は1.1%となり、2004年度以降、13年連続で2%を下回って、国税庁発足以来、最も低い割合となっている。
この結果、滞納残高はピークの1998年度(2兆8149億円)の約32%まで減少した。
税目別にみると、消費税は、新規発生滞納額が前年度比14.5%減の3758億円と3年ぶりに減少したが、税目別では12年連続で最多、全体の約60%を占める。
一方で、整理済額が3997億円と上回ったため、滞納残高は7.2%減の3100億円と、17年連続で減少した。
法人税は、新規発生滞納額が同3.7%減の611億円と3年連続で減少し、整理済額が698億円と上回ったため、滞納残高も8.2%減の981億円と9年連続で減少した。
2017年度税制改正では、中堅・中小企業の賃上げを支援する所得拡大促進税制が中小企業を中心に拡充される。
所得拡大促進税制は、一定の要件を全て満たした場合に給与総額の増加分の10%を法人税額から控除できる制度だが、今回の改正で、新たに「前年度比2%以上の賃上げ」という要件を設定し、その際の控除率は現行より引き上げ、企業規模で控除率に差を設ける(中小企業者は増加分の22%、大企業で12%)。
今回の見直しでは、まず、中小企業者等以外の法人は、現行の要件の一つである「平均給与等支給額が前事業年度を上回ること」との要件を「平均給与等支給額が前事業年度から2%以上増加すること」に見直すとともに、控除税額を、給与等支給増加額の10%と給与等支給増加額のうち給与等支給増加額から前事業年度の給与等支給額を控除した金額に達するまでの金額の2%との合計額(現行は給与等支給増加額の10%)とする。
一方、中小企業者等については、平均給与等支給額が前事業年度から2%以上増加した場合の控除税額を、給与等支給増加額の10%と給与等支給増加額のうち給与等支給増加額から前事業年度の給与等支給額を控除した金額に達するまでの金額の12%との合計額(現行は給与等支給増加額の10%)とする。つまり、大企業は増加給与額の12%を、中小企業者は増加給与額の22%を、それぞれ法人税額から税額控除できるようになる。
国税庁が公表した2015度の法人税の申告事績によると、今年6月末現在の法人数は前年度から0.9%増の304万8千法人で、うち2015年度内に決算期を迎え今年7月末までに申告した法人は、同1.1%増の282万5千法人だった。
その申告所得金額は同5.3%(3兆928億円)増の61兆5361億円、申告税額の総額も同1.9%(2150億円)増の11兆3844億円と、ともに6年連続の増加。申告所得金額の総額は過去最高となった。
この結果、法人の黒字申告割合は、前年度に比べ1.5ポイント上昇して32.1%となり、5年連続の増加となった。黒字申告割合は、昨年度にリーマン・ショック前の2007年度以来7年ぶりに3割を超えたが、2年連続で30%台となった。
もっとも、法人の黒字申告割合は、過去最高だった1973年度(65.4%)の半分にも満たない低い数字が、1993年度から23年も続いていることになり、黒字申告割合は低水準が続いている。
6年連続の増加となった黒字法人の申告所得金額は、黒字申告1件あたりでは前年度に比べて0.6%減の6785万円となった。一方で、申告欠損金額は同5.1%減の13兆7118億円、赤字申告1件あたりの欠損金額も同4.1%減の715万円と、ともに減少し、企業業績全体が改善されつつあることがうかがえる。
ちなみに、申告所得金額のピークは昨年度2014年度の58兆4433億円、申告欠損金額のピークは1999年度の33兆2791億円だ。
今年3月末時点での法人税や消費税など国税の滞納残高が、前年度に比べ8.2%減の9774億円となり、1999年度以降17年連続で減少したことが、国税庁が発表した2015年度租税滞納状況で明らかになった。滞納残高が1兆円を下回ったのは、1986年度(8778億円)以来29年ぶりとなっている。
新規発生滞納額は前年度に比べ16.2%増の6871億円と2年連続で増加したものの、整理済額が7744億円(前年度比15.9%増)と新規発生滞納額を大きく上回ったため、滞納残高も減少した。
2015年度に発生した新規滞納額は、最も新規滞納発生額の多かった1992年度(1兆8903億円)の約36%まで減少した。また、2015年度の滞納発生割合(新規発生滞納額/徴収決定済額)は1.2%と前年度からほぼ横ばい。
2004年度以降、12年連続で2%を下回り、前年同様、国税庁発足以来の低水準が続いている。この結果、滞納残高はピークの1998年度(2兆8149億円)の約35%まで減少した。
税目別にみると、消費税は、新規発生滞納額が前年度比33.5%増の4396億円と2年連続で増加し、税目別では11年連続で最多、全体の約64%を占める。一方で、整理済額が4533億円と上回ったため、滞納残高は3.9%減の3340億円と、16年連続で減少した。
法人税は、新規発生滞納額が同5.9%減の634億円と2年連続で減少し、整理済額が832億円と大きく上回ったため、滞納残高も15.6%減の1069億円と8年連続で減少した。
国税庁・国税不服審判所が公表した異議申立てや審査請求、訴訟の概要によると、今年3月までの1年間(2015年度)の不服申立て・税務訴訟等を通しての納税者救済・勝訴割合は8.2%となった。
税務署への異議申立ての発生件数は、前年度から15.8%増の3191件となった。処理件数3200件のうち、「一部取消」は212件、「全部取消」は58件で、納税者の主張が一部でも認められたのは計270件となり、処理件数全体に占める割合(救済割合)は前年度を0.9ポイント下回る8.4%だった。
また、税務署の処分(異議決定)を不服とする国税不服審判所への審査請求の発生件数は、過去最低だった前年度と比べ3.3%と微増の2098件。処理件数2311件のうち、「一部取消」は147件、「全部取消」は37件で、納税者の主張が何らかの形で認められた救済割合は同横ばいの8.0%となった。
一方、裁判での訴訟となった発生件数は前年度を2.5%下回る231件だった。終結件数262件のうち、「国の一部敗訴」は3件、「同全部敗訴」は19件で、国側の敗訴(納税者勝訴)割合は同1.6ポイント増の8.4%となっている。
このような納税者救済・勝訴割合は、あくまでも結果論だが、全体でみると、2015年度中に異議申立て・審査請求・訴訟を通して納税者の主張が一部でも認められたのは、処理・訴訟の終結件数の合計5773件のうち476件で、その割合は前年に比べ0.4ポイント減の8.2%となった。
周知のように、2016年度税制改正において通勤手当の非課税限度額が月額15万円(改正前10万円)に引き上げられ、2016年1月1日以後に支払われるべき通勤手当から適用されている。
このうち、政令施行前の1月1日から3月31日までに支払われるべき通勤手当で、改正後の新規定を適用した場合に過納となる税額については、今年の年末調整の際に精算を行うこととされている。
一方で、政令施行日である4月1日以後に支払われる通勤手当についても、改正前の非課税規定で支払ってしまう場合もあると思われる。
このような場合には、年末調整による精算で処理するのではなく、旧規定による源泉徴収を行った後速やかに誤納還付請求を行うことで、新規定を適用した場合の差額の還付を受けることができるようだ。
新規定との差額精算については、時期によって適用関係が異なるため、支払った通勤手当がどの期間に対応するものなのかを確認する必要がある。
例えば、2015年12月31日までに支払われるべき通勤手当で、2016年1月1日以後に支払われるものは、旧規定の適用となる。また、2016年1月1日から3月31日までに支払われるべき通勤手当で、3月31日までに支払われるものは新規定となるが、旧規定適用の場合は年末調整での処理となる。
さらに、2016年4月1日以後に支払われるものは新規定が適用されるが、旧規定適用の場合は、還付請求を行うことで処理することになる。
国税庁が公表した今年6月までの1年間(2014事務年度)における法人税調査事績によると、大口・悪質な不正計算が想定されるなど調査必要度の高い9万5千法人(前年度比4.9%増)を実地調査した結果、うち約74%に当たる7万件(同6.1%増)から5年ぶりの増加となる総額8232億円(同9.6%増)の申告漏れを見つけた。
追徴税額は1707億円(同7.3%増)。調査1件当たりの申告漏れ所得は866万円(同4.5%増)となる。
調査した19.5%(不正発見割合)に当たる1万9千件(前年度比10.2%増)が故意に所得を仮装・隠ぺいするなどの不正を行っており、その不正脱漏所得は前年度比16.7%増の2547億円で8年ぶりに増加。1件当たりでは同5.8%増の1373万円となった。
不正を業種別(調査件数350件以上)にみると、不正発見割合の高い10業種では、「バー・クラブ」が57.1%で13年連続のワースト1位。
「バー・クラブ」は、近年25年間で24回1位という不名誉な記録を持つワースト業種の常連。以下、前年3位の「パチンコ」(29.6%)、同ランク外の「ホテル、普通旅館」(28.4%)の順で続く。
また、1件当たりの不正所得金額が大きい10業種では、ランク上位常連の「パチンコ」が5722万円で前年に引き続き1位、2位は前年6位の「電気通信機械器具卸売」(2543万円)、3位は同6位の「情報サービス、興信所」(2210万円)、4位は同2位の「自動車・同付属品製造」(2083万円)と続く。
東日本大震災に伴い被災者や被災企業の支援税制の第一弾、「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律案」などの支援税制が4月27日、参院本会議で可決、成立した。
所得税関係では、雑損控除の特例や災害減免法による所得税の減免措置を平成22年分所得で前倒しで実施する他、法人税関係では、震災損失の繰戻しによる法人税額の還付などを盛り込んでいる。
所得税関係では、まず、住宅や家財等に係る雑損控除について、平成22年分所得での適用を可能とし、雑損控除を適用した年分に控除しきれない損失額についての繰越期間を5年(現行3年)とする。住宅や家財の損失に係る災害減免法の適用について、22年分所得での適用を可能とする。
また、被災事業用資産の損失についても、22年分所得の計算上、その必要経費への算入を可能とし、青色申告者は、被災事業用資産以外の損失を含め22年分所得で純損失が生じた場合には、さらに21年分所得への繰戻還付を可能とする。
被災事業用資産の損失による純損失の繰越可能期間を5年(現行3年)に延長し、保有資産に占める被災事業用資産割合が1割以上の場合、被災事業用資産以外の損失を含め繰越可能な純損失の繰越期間を5年とする。
法人税関係では、平成23年3月11日から平成24年3月10日までの間に終了する事業年度において、法人の欠損金額のうちに震災損失金額がある場合には、その震災損失金額の全額を2年間まで遡って繰戻し還付を可能とする。
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