ちば会計

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社会保険・労務

2021年12月 8日 (水)

政府 金融機関に柔軟な資金繰り対応を要請 企業はアフターコロナを意識し抜本的な対応を

 11月19日に「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」が閣議決定された。

これに伴い経済産業省では、金融機関に対して「現下の決算状況・借入状況や条件変更の有無等の事象のみで機械的・硬直的に判断せず、丁寧かつ親身に対応すること」「返済期間・据置期間の長期の延長等を積極的に提案するなど、既往債務の条件変更や借換等について、事業者の実情に応じた迅速かつ柔軟な対応を継続すること」を改めて要請している。

 

ただ、当の金融機関の状況は厳しく、特に地銀に至っては、いわゆる「ゼロゼロ融資」をほぼ無審査に近い状態で行ってきたため、不良債権予備軍とも言われる「要注意先」がコロナ禍で大幅に増加している。

当面は政府の要請もあり柔軟に対応すると見られるが、アフターコロナでは、これらの要注意先に対し一気に厳しい対応を迫る可能性が高いだろう。

 では、企業はどのような対応が必要だろうか。
まず資金繰りについてだが、安易なリスケジュールは避け、先に追加融資や借り換えを検討する必要がある。
貸出条件の緩和は自社の格付けにも影響するためだ。

 

 それから、アフターコロナに向けた事業計画・経営改善計画を立てるべきだろう。
アフターコロナにおける経営環境を分析し、経営課題を抽出。解決策を、スケジュールやリソースも明らかにしながら具体化する。


また、これらの施策を落とし込んだ予想財務諸表も作成すると良い。
企業が独自に策定できなければ、顧問税理士や、近隣の「認定支援機関」に頼るのもひとつの手だ。

 

 また、事業計画策定の段階で新規事業のヒントを得ることもあるだろう。
このような場合には「事業再構築補助金」や、設備投資を伴う場合には「小規模事業者持続化給付金」「IT導入補助金」などの活用も検討したい。

2021年11月 8日 (月)

役員に対する退職金の現物支給 現物の適正な評価額の把握に注意

 現物支給とは、会社が従業員に支給する報酬について、現金の代わりに「もの」を渡す方法だ。

 

従業員に支払う報酬は、経費の性質を持つものを除いて現金で支払う原則があるので、退職金の現物支給はできない。

しかし、役員への報酬は現金以外で支給することもできる。役員に対しても現金で支払うケースは多いが、現物支給のほうが、現金支給に比べて多くの資産を得られる可能性がある。

 

 退職金の現物支給で用いられる代表的な方法には生命保険、不動産、自動車などがあるが、例えば不動産は、帳簿上の価格よりも低い評価額での現物支給で法人税を抑えることができる。

一方で、注意点も少なくない。退職金の現物支給では、現物の適正な評価額を必ず把握しておく必要がある。

不動産や自動車の適正な評価額は、帳簿に記載された減価償却後の金額ではなく、実際の市場で取引されている金額となる。

 

 役員に、退職金として会社所有の不動産を支給する場合の注意点は、まず、その不動産の時価を算定すること。

例えば、帳簿価格は2000万円、時価は3000万円の場合、帳簿価格と時価との差額1000万円の譲渡益が会社側で計上される。

 

 そして退職金として3000万円が損金に計上され、結果的には帳簿価格と同じ2000万円が会社の損失となる。

そして、退職金を受け取るほうは、あくまで3000万円の退職金を受け取ったことになるので、それに応じた所得税や住民税を納付することになる。

 

2021年10月 6日 (水)

22年10月より社会保険の適用範囲が拡大 企業が早くから準備しておくべきこととは?

2022年10月1日より、社会保険の適用範囲(=強制加入となる事業所)が、現在の「従業員数501人以上の事業所」から「101人以上の事業所」へと拡大される。

  
これにより中小企業には重い保険料負担が課されるだけでなく、人事・労務の現場では多くのトラブルに見舞われることが想像に難くない。

  
無用なトラブルを回避するために、いまのうちからできることに取り組んでおくべきだろう。

  
まずやるべきことは「パート従業員の雇用契約書」の確認だ。

  
週あたりの労働時間がきちんと明確になっているか、雇用契約書に記載されている労働時間と実際の労働時間の間に乖離がないか。これをしっかりとチェックしておきたい。

  
雇用契約書上は労働時間が週20時間未満であっても、実態で週20時間以上勤務している場合には、週20時間以上となった月の3か月目の初日に社会保険に加入しなければならない。

   
もし実態と乖離しているようなら、全パート従業員の契約更新時期を統一したうえで、実態に即した契約書を再度締結すべきだろう。

   
それから「従業員教育」も大切だ。特に店舗等複数ある事業所では、現場対応を行う管理職に社会保険の正しい知識を理解してもらうことが欠かせない。

  
「シフトの穴埋めのために勤務してもらい20時間を超過した」ということが常態化していれば、これを解消する必要があるためだ。

  
また、最近は2か所以上の事業所で勤務する人や副業をする人も増加しており、どちらの事業所で届出をするかという問題が増加している。

  
兼業・副業している従業員を把握できる仕組みを作ることも急務だろう。

2021年4月 9日 (金)

改正高年齢雇用安定法が4月1日に施行 福利厚生やマネジメントの充実が必須に

「70歳までの就業機会確保」を努力義務とする改正高年齢雇用安定法が4月1日に施行された。

 高齢者の就業機会が確保されることによって、企業の人手不足解消にある程度の効果が期待できるだろう。

 

なにしろ、15~64歳の生産年齢人口は3年連続で6割を切っており、毎年40万人近く減少を続けているのだ。生産年齢人口が減少し続けているのだから、65歳以上の労働力を生み出さなければ、いずれわが国の産業を維持できなくなるのは自明。

 

昨年、家電量販店のノジマが最長80歳までの雇用延長を制度化したが、このようなニュースが出るたびに「そんな歳まで働きたくない」という声が各方面からあがる。だが、こうした動きが当たり前になる日もそう遠くないだろう。

 

 一方で、高齢者に労働力が偏ることにより、これまでにない問題が生じる可能性がある。たとえばマネジメント分野。「年上の部下」は珍しい存在ではないが、部署内でマネジメント職以外の全員が65歳以上になることも十二分にあり得る。

 

そうなると、「高齢者マネジメント」に特化した研修プログラムをマネジメント人材向けに実施する必要も出てくるだろう。

 

そして、福利厚生面ではメディカルヘルスケアのより一層の充実が求められることに。健康診断やメンタルヘルスケアの内容も従来通りとはいかない。

 

「がん」や「認知症」を抱えて働く人材も増えるだろう。多職種の医療ネットワークとの緊密な連携も必要になるかもしれない。

 

 75歳以上が人口のボリュームゾーンとなる時代がすぐそこまでやってきている。

 

これからの時代、マネジメント職の研修や主に医療面での福利厚生の充実を図れるかどうかが、企業の持続可能性を左右するようになるのは間違いないだろう。

 

 

 

2021年3月15日 (月)

国民負担率は44.3%となる見通し 「潜在的な国民負担率」は56.5%

 財務省はこのほど、国民負担率が、2021年度予算では2020年度実績見通しから1.8ポイント減の44.3%となるとの見通しを発表した。

 

国民負担率とは、国民所得に対する税金や社会保険料(年金・医療費などの保険料)の負担割合。21年度見通しの内訳は、国税15.5%、地方税9.9%で租税負担率が25.4%、社会保障負担率は18.9%。

 

20年度は19年10月の消費増税分が国民負担に1年間で影響して過去最高の46.1%だった。

 

 2020年度実績見込みに比べ、租税負担率は0.9ポイント減(国税横ばい、地方税0.7ポイント減)。社会保障負担率は1.0ポイント減だったが、前年はこの統計を開始した1970年度以降では過去最高の19.9%となっており、20年度は過去2番目に高い。

 

 国民負担率を諸外国(18年実績)と比べた場合、日本(44.3%)は、米国(31.8%)よりは高いが、フランス(68.3%)、スウェーデン(58.8%)、ドイツ(54.9%)、英国(47.8%)よりは低い。

 

 真の負担率は、財政赤字という形で将来世代へ先送りしている負担額を加える必要がある。財務省によると、2021年度の国民所得(20年度に比べ16万6千円増の393万6千円)に対する財政赤字の割合は、前年度から8.1ポイント減の12.2%となる見通し。

 この結果、21年度の国民負担率に財政赤字を加えた「潜在的な国民負担率」は、20年度実績見込みからは10.0ポイント減の56.5%だが、過去最高だった20年度に次ぎ2番目に高い見通しになる。

 

 

2020年11月18日 (水)

いつの時代も絶えない社内不正を 抜本的に防止する方法とは?

 飲食大手のワタミが、社員への未払い残業代があったとして労働基準監督署から是正勧告を受けた。

 

同社は、2008年に新入社員が過労自殺した際、創業者の渡邉美樹氏が「労務管理ができていなかったとの認識はない」とTwitterで発信したこともあり「ブラック企業」の代表格とされてきた。

 

それから12年、ホワイト企業アピールを続けていたが、労務管理に無頓着な企業風土は変わらなかったようだ。何より「上司が労働時間を書き換えていた」と明らかにしたことに、問題の根深さがある。

 

 第一の問題は、人を死に追い込む労務管理をしておきながら、同様のリスクを招きかねない改ざんに手を染める組織風土。

 

そして、再発したら企業生命を危機に陥れかねないにも関わらず、不正防止策を打っていなかったことである。

 

 しかし、この一件に限らず、社内不正を完全に防ぐことは困難だ。

 

他責傾向が強い場合、自己正当化の行動として社内不正がなされることが多い。上司の圧力や周囲の同調圧力により、不本意ながら不正に手を染める人もいる。

 

ならば、抜本的に防ぐことを考えればいいのである。勤怠管理で、そのニーズに対応する仕組みとして続々と登場し始めているのが、ブロックチェーン技術を活用したサービスだ。

 

 ブロックチェーン技術は暗号資産(仮想通貨)のイメージが強いが、その本質的なバリューは優れた改ざん耐性にある。

 

スキルをデジタル証明する仕組みとしてIBMが取り入れたオープンバッジも、ブロックチェーン技術によるものであり、金融以外の分野での活用が広がっている。

 

副業を解禁する企業が増えたこともあり、うっかり二重勤務の記録をしてしまうことを防げるとあって、開発ベンダーが増加中だ。

 

労務管理を強化するだけでなく、残業時間の遵守をシステムとして実施しているとして、ホワイト企業をアピールする効果が期待できるのではないだろうか。

 

 

 

2019年3月 6日 (水)

消費増税対応で初診料等を引上げ 診療報酬に増税分上乗せして対応

 診療報酬について議論する中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は、今年10月の消費税率引上げに伴う医療機関等の負担増を補てんするため、
 
今年10月から、例えば、初診料を現在より6点高い288点に、再診料を1点高い73点に、外来診療料を1点高い74点にするなどの内容を盛り込んだ診療報酬改定を根本匠厚労相に答申した。
 
 診療報酬改定の結果、点数(1点10円)で表される診療報酬は、初診料が288点、つまり2880円と60円引き上げられ、2回目以降に支払う再診料は10円引き上げられて730円になる。
 
ただしこれは公定価格であり、健康保険により患者が実際に支払う金額はこのうち1~3割となる。
 
 また、薬価・材料価格も、まず市場実勢価格を踏まえた調整(実勢価改定)を行った上で、消費税引上げ分を上乗せする(108分の110を乗ずる)。
 
 医療機関の収入の大部分は社会保険診療報酬だが、これらは消費税非課税扱いとなっている。一方で、医療機器の取得や大規模修繕、医薬品や委託費などの経常経費には消費税が課税されている。
 
このため、医療機関等が物品等を購入する際に支払った消費税は患者・保険者に転嫁できず、医療機関が支払った消費税は仕入税額控除でないことから、いわゆる損税が発生している状態にある。
 
 今回の初診料や再診料の引上げは、医療機関の仕入れにかかる増税分の負担を賄えるよう診療報酬に増税分を上乗せして対応するもの。
 

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2017年6月 8日 (木)

加入対象者拡大で注目度アップ 「個人型確定拠出年金」は強力な節税策!

 今年1月から加入対象者が20歳以上60歳未満の全ての人に拡大され、「1兆円市場」が新たに生まれると注目されている個人型確定拠出年金(iDeCo=イデコ)。
1,000万人以上が加入に関心を示しているという調査結果もあり、金融機関各社の口座獲得競争が激化。
 
中でも、SBI証券と楽天証券は5月18日に運営管理手数料を無料とすることを発表。他の金融機関も追随することが予想される。

 iDeCoは掛け金が全額所得控除され、利益が出ても課税されないなどの税制優遇措置が取られており、利用するメリットが多い。
 
さらに、管理手数料を無料にすることで、コスト意識の高い若年層を取り込むことが狙いだろう。
 
しかし、iDeCoは決して若年層向けとは言えない。まず、60歳になるまで解約できない点が大きな理由だ。
 
さらに、税制優遇措置について、所得控除されても税金が減るわけではなく、課税対象所得が減るだけなので、相対的に所得が低い若年層には、あまり魅力的に映らないだろう。

 むしろ、富裕層こそiDeCoをうまく活用するべきだと言える。
 
加入するだけで節税効果が高く、利益が出れば投資効果もある。投資先が少ないのが玉にキズだが、今後、管理手数料無料以外の訴求ポイントが追加される可能性もある。
 
投資効果が低いと考えていた富裕層にとっても、検討する価値があるのではないだろうか。
 
 

2017年4月19日 (水)

2017年度税制改正関連法が成立 配偶者控除等の見直しなどが中心

 2017年度税制改正関連法案が、3月27日に開かれた参院本会議で可決し、年度内に成立した。今年度の税制改正項目では、働きたい人が就業調整を意識しなくて済む仕組みを構築する観点からの配偶者控除・配偶者特別控除の見直しがある。

 

配偶者控除38万円の対象となる配偶者の所得上限を給与収入150万円(現行103万円)に引き上げる。また、家計の安定的な資産形成を支援する観点から、少額からの積立・分散投資を促進するための積立NISAを創設する。

 

 そのほか、事業承継税制の見直しなどの個人所得課税・資産課税関係、研究開発投資に係る政府目標の達成に向けた研究開発投資の増加インセンティブを強化する研究開発税制の抜本的見直しを始め、所得拡大促進税制の見直し、地方拠点強化税制の拡充などの法人税関係、酒類間の税負担の公平性を回復する等の観点からビール系飲料や醸造酒類の税率格差の解消等の酒税改革などが盛り込まれている。

 

一方、地方税法関係の改正では、タワーマンションに係る固定資産税及び不動産取得税を見直す。2017年度以降に販売される高さ60メートルを超え、おおむね20階建て以上の新築高層マンションを対象に、高層階ほど増税、低層階ほど減税となるように見直す。

 

また、機械・装置を対象に創設した償却資産に係る固定資産税の特例措置について地域・業種を限定した上で一定の工具、器具・備品等を追加するなどの見直しがある。

 

 

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2016年12月13日 (火)

配偶者控除の上限150万円に引上げ 今後の焦点は夫の年収制限の額

 女性の就労を抑制しているとの指摘がある配偶者控除の見直しは、「小幅」に止まりそうだ。政府・与党は配偶者控除について、働き方にかかわらず対象にする「夫婦控除」への衣替えを検討してきたが、来年度税制改正ではいったん見送り、現在「103万円」とされている年収制限を引き上げるなど小幅の見直しに方向転換する見込み。

 

 偶者控除は、年収103万円以下(給与収入)の配偶者がいる場合に、年間38万円の所得控除が受けられる制度。配偶者の収入が103万円を超えると配偶者特別控除に切り替わり、配偶者の収入増加に伴って、世帯主の収入からの控除額が縮小する。

 

夫がサラリーマン、妻がパートの世帯などでは、夫の所得軽減の恩恵キープのために、妻が年収103万円を超えないよう勤務時間を抑制する傾向が指摘されており、「103万円の壁」とも言われている。

 

 政府・与党は、所得税の配偶者控除の対象を「年収103万円以下」から「年収150万円以下」に引き上げる方向で最終調整に入った。2017年度税制改正大綱に盛り込み、2018年1月からの実施を目指す。150万円までは配偶者控除と同様に38万円の所得控除が受けられ、150万円を超えても徐々に控除額が減っていく仕組みとする。

 

 ただし、控除枠を引き上げれば税収が減るため、配偶者控除に年収制限を設け、年収が一定以上の世帯は適用から外して財源とすることも検討される。どのような年収制限となるかが今後の焦点となる。

 

 

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