内閣府が令和7年度の経済見通しを公表 実質成長率は1.2%程度の見込み
内閣府はこのほど「令和7年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」を公表した。
これによると、令和7年度は「物価上昇が落ち着く中、個人消費等の内需が増加し、実質成長率は1.2%程度、名目成長率は2.7%程度」となる見込み。
現在、わが国の物価は緩やかな上昇基調にある一方、賃金の上昇が物価上昇に追いついておらず、実質賃金は前年比マイナスを続けている。
物価上昇が国民の家計を圧迫している状況だが、消費者物価(総合)について本レポートでは「原材料価格など輸入コスト上昇の影響は一巡するものの、賃金上昇に伴う国内物価の緩やかな上昇が見込まれる」ことから、上昇率は2.0%程度となると予測している。
また、GDPの3%程度を占める民間住宅投資については「総合経済対策の政策効果が下支えとなるものの、資材価格が高い水準で推移する中、実質値は減少する」としており、対前年度比0.3%程度の減少を予測。
住宅投資は、建設・不動産業・鉄鋼・非鉄金属など多数の産業に関わり、経済全体に波及する生産誘発効果が大きいだけに、景気回復への懸念材料となる。
総じてわが国の経済は「回復する」との見方を示す一方で、懸念されるのが、長らく続く人材難だ。
労働力人口がおおむね横ばいとなる中、経済の緩やかな成長に伴い労働需給は引き締まり、完全失業率が低下することを予想している。人材難が解消に向かう見込みはなく、いっそう厳しくなる見通しのようだ。