福袋で自社名を誤植!あえて修正せず 話題を提供した「ヴィレッジヴァンガード」
福袋は、「商戦」と位置付けられるほど重要なイベント。在庫処分の機会とされていた時代は昔のこと、現在はその質が企業イメージを左右することも。その福袋に印刷する自社名に、誤植が発覚!
そんな、想像したくもないミスを起こした企業がある。「遊べる本屋」をキーワードに、全国535店舗を展開する株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーションだ。2017年の福袋として用意した計6種ののうち、4種の社名が誤っていた。
通常なら作り直して発売に間に合わせようとする所だが、同社はあえて誤植のまま販売。さらに、自社のTwitterアカウント名も誤った社名に変更し、自虐的なツイートを発信した。結果、リツイート数は6000を超え、複数のウェブメディアでも紹介されるなど、注目を集めることに成功。
細かく分析すると、問題の本質とタイミングを見極めた高度なマーケティングテクニックが垣間見える。まず、社名の誤植はあくまでギフトバッグなので、中身の商品に影響しない。さらに、全社員へ事前に通達して「ネタ」として扱うことを共有。SNSやウェブメディアでパブリシティを獲得することに成功したわけだ。
実利的な面でも、パッケージの作り直しや輸送、パッキングといった余計なコストをかけずに済んでいる。ミスをマイナスと捉えず、前向きに生かす道を見出す。同社の姿勢は、適切なマーケティングを模索するうえで参考にすべき事例ではないだろうか。