税理士法人千葉会計

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2025年9月

2025年9月23日 (火)

財務総研が最新の分析結果を公表 高所得層のシェア変動が明らかに

 財務総合政策研究所は、ディスカッション・ペーパー「所得税データを用いた日本の上位所得シェアの推計:2008~2023年」を公表した。

今回の研究は、申告所得税や民間給与実態統計調査などを用い、日本における高所得層の所得シェアを精緻に推計したもの。

従来の調査では把握が難しかった超高額所得層の動向を明らかにしている。

分析では、2008年以降に拡充された税データを活用し、キャピタルゲインを含めた場合と含めない場合の両面から検証を行っている。

キャピタルゲインを含まない所得については、2013年以降の景気回復期に上位0.01%や0.1%の所得シェアが拡大した一方で、上位1%や10%といった層のシェアは低下していたことが示された。

背景には、経営者報酬などの高額給与の拡大とともに、女性や高齢者の労働参加率の上昇などがあると考えられている。

さらに、キャピタルゲインを含めた分析では、上位0.01%や0.1%のシェアが景気回復期に顕著に上昇した一方、上位5%や10%といったより広い層のシェアは低下傾向にあることが明らかに。

資産市場の変動がごく一部の超富裕層に強く作用している構図が浮かび上がった。

なお、本研究は財務省の公式見解ではないが、税務データを活用した詳細な分析は、所得分布や格差の実態を理解する上で重要な知見を提供するもの。

今後の再分配政策や社会保障制度を検討する上でも、こうした実証的な研究は大きな役割を果たすと期待される。 

2025年9月19日 (金)

デジタル時代の遺言制度に向けて 法制審議会が中間試案を公表

 下法務省の法制審議会民法(遺言関係)部会が、「民法(遺言関係)等の改正に関する中間試案」を取りまとめた。

 今回の試案は、デジタル社会の進展や高齢化の加速を背景に、遺言制度をより使いやすくし、遺言者の意思を確実に実現することを目的としている。

従来の自筆証書遺言や公正証書遺言などに加え、PCやスマートフォンを利用した電磁的記録による新たな遺言方式の導入が検討されており、その具体案として三つの方式が提示されている。

 第一の甲案は、遺言を電磁的記録で作成し、本人が全文を朗読して録音・録画する方式。証人を要する案と要さない案があり、後者では本人確認機能を備えたアプリの利用が想定される。

第二の乙案は、遺言を電磁的記録として作成し、公的機関に保管する方式で、申請時に全文を朗読する。第三の丙案は、プリントアウトした書面を公的機関に保管する方式。

乙案・丙案については家庭裁判所の検認を不要とする方向も示されている。

 また、自筆証書遺言に関しては、財産目録について自書を不要とする現行制度を維持し、さらに範囲を広げない方針が示された。一方で、押印要件については不要とする案と、現行維持案の両論が検討対象となっている。

 全体として、中間試案は偽造・変造の防止といった真正性確保を維持しつつ、デジタル技術を踏まえた利用しやすさと柔軟性を高める内容となっている。

2025年9月12日 (金)

令和6年「労働安全衛生調査」メンタル不調 企業規模で格差鮮明

 厚生労働省はこのほど、令和6年「労働安全衛生調査(実態調査)」を公表した。

調査によると、メンタルヘルス不調により1か月以上休業または退職した労働者がいた事業所の割合は12.8%で、前年の13.5%からわずかに減少した。

規模別に見ると、1,000人以上の大規模事業所では9割を超えて該当者がいたのに対し、30人未満の小規模事業所では1割未満にとどまっている。

労働者ベースでは、休業者が0.5%、退職者が0.2%で、前年とほぼ横ばいだった。

 事業所のメンタルヘルス対策については、63.2%が取り組んでおり、前年とほぼ同水準で推移した。

50人以上の事業所では9割超が対応している一方、10〜29人規模では55.3%にとどまった。

取組内容としては「ストレスチェックの実施」が最も多く65.3%に上り、次いで「職場環境の評価・改善」が54.7%だった。

ストレスチェックを実施した事業所のうち、結果を集団単位で分析した割合は75.4%に達し、その分析を活用した割合は76.8%と、前年よりやや改善がみられた。

また、産業保健の取組を行う事業所は89.8%で、前年の87.1%から増加した。

その内容は「健康診断結果に基づく保健指導」が75.1%で最多、次いで「メンタルヘルス対策」が71.3%だった。

労働災害防止に関しては、転倒防止の物理的対策に取り組む事業所が77.7%と大半を占める一方、身体的要因に配慮した対応や体力づくりへの取組は1割程度にとどまった。



2025年9月 5日 (金)

下請法改正、令和8年1月施行へ 価格転嫁と公正取引の実現を目指す

 下請代金支払遅延等防止法および下請中小企業振興法の改正法が成立し、令和8年1月1日に施行される。

改正の背景には、労務費や原材料費、エネルギーコストの急激な上昇を、中小企業が十分に価格転嫁できない状況が続いてきたことがある。

政府は今回の改正を通じて、発注者と受注者が対等な立場で協議を行い、サプライチェーン全体で公正な価格決定を行える環境を整備する狙いだ。

改正の柱は大きく三点。第一に、協議を経ずに一方的に代金を決める行為を禁止し、必要な説明や情報提供を義務づけることで、価格据え置き的な慣行を是正する。

第二に、手形払いが全面的に禁止され、現金化が困難な支払手段も認められなくなる。

これにより中小企業の資金繰りリスクが大幅に軽減される見通しだ。

第三に、製造や販売に不可欠な運送の委託が新たに規制対象に加わり、物流コスト増への対応が制度面からも支えられる。

また、従業員数の基準が見直され、300人規模(役務委託は100人)までの事業者が保護対象となるなど、適用範囲も拡大する。

さらに、法体系の用語も整理され、「下請事業者」は「中小受託事業者」、「親事業者」は「委託事業者」と改められ、法律名も変更される。

こうした一連の改正は、構造的な価格転嫁を定着させ、中小企業が持続的に成長できる環境を築くための重要な一歩と位置づけられている。

2025年9月 1日 (月)

経産省2024年度消費者相談報告書 ネット通販の定期購入トラブルが増加

 経済産業省はこのほど、2024年度(令和6年度)の「消費者相談報告書」を公表した。

同報告書によると、経済産業省消費者相談室が受け付けた消費者相談件数は合計7,020件に上り、前年度比で2.3%減少した。

最も多くの相談が寄せられたのは「特定商取引法関係」で、全体の約7割近くを占める4,746件だった。

このうち「通信販売」に関する相談は1,428件と前年度比16.1%増加し、特にインターネットを利用した「定期購入」に関するトラブルが目立った。

具体的には「初回限定と記載があったのに自動的に定期購入に切り替わっていた」や「特典利用で定期購入契約の申込みになっていた」といった、消費者が意図せず定期購入契約を結んでしまう事例や、解約を巡るトラブルが300件に上るなど、多数報告されている。

 また、「訪問販売」の相談は1,452件で最も件数が多かったが前年度からは5.6%減少した。

しかし、工事や住宅設備、特に冷暖房給湯設備・機器に関する相談が増加しており、大手ガス会社を装った事業者による給湯器交換契約のトラブル事例も具体的に挙げられている。

注目すべきは、「個人情報関係」の相談が23件と前年度比155.6%の大幅な増加を記録した点。

相談のほとんどが個人情報の目的外利用など、管理に関する懸念を示すものだった。

相談者の年代別では、判明している約3割の相談者のうち、50歳代からの相談が最も多く(25.1%)、次いで60歳代(20.4%)、70歳代以上(18.4%)が続いている。 

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