会計検査院が「特定検査」で指摘 類似業種比準方式は「低すぎる」
会計検査院は11月6日、令和5年度決算検査報告の「特定検査対象に関する検査状況」の中で、「相続等により取得した財産のうち取引相場のない株式の評価について」とする検査結果を公表。
「類似業種比準方式による評価額が、純資産価額方式による評価額に比べて相当程度低く算定される傾向」にあることを指摘している。
類似業種比準価額は、昭和41年から平成29年にかけて計算式、対象とする評価会社の範囲の拡大、選択できる類似業種の範囲の拡大など、数度にわたって評価額を引き下げる改正が行われてきた経緯がある。
その結果、中小企業では自社株を類似業種比準方式で評価できるよう組織再編を実行したり、資産を組み替えたりするなどの節税手法が一般的に行われるようになった。
実際、いま主流となっている株価対策は、類似業種比準方式を使ったものがほとんどである。
今回の会計検査院の指摘に対し、会計事務所業界ではすでに話題騒然となっている。
「いつ改正されるのか」といった声も聞こえてくるが、国税庁が本当に改正に取り組むのか、どのような通達改正を行うのか全く未知数の状況だ。
仮に類似業種比準方式による評価額が大きく引き上げられるようであれば、“駆け込み”の対策が実行されることは必至。
また、世にある株価対策の多くが意味を為さなくなる可能性もあり、適用期限が近づいている特例事業承継税制の存在価値が増すことにもなるだろう。
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