どうなる退職金課税の見直し 今年も税制調査会が議論の俎上に
11月も中盤に差し掛かり、税制改正をめぐる議論が大詰めだ。
今年は、先の衆院選で影響力を増した国民民主党が「103万円の壁」の是正を要求しているため、そちらばかりが注目されているが、その裏で政府と財務省は、今年も退職金課税の見直し=縮小を狙っている。
過去の税制改正大綱や政府税制調査会の資料には「退職金や私的年金の給付に係る課税について、給付が一時金払いか年金払いかによって税制上の取扱いが異なり、給付のあり方に中立的ではないといった指摘がある」「退職金課税については、現行の勤続20年を境に1年当たりの控除額が急増する仕組みや勤務年数が短期間でも退職金に係る所得の2分の1にしか課税されないという仕組みを見直し、全体として多様な就労選択に中立的な制度とすることが求められている」といった文言がたびたび登場し、この時期になると改正論が毎年のように噴き上がる、もはや恒例行事のようなもの。
ただ、ここ数年は与党自民党が支持率を落としたことや、昨年は「増税内閣」といった批判を気にした結果、直前で見送られてきた経緯がある。
退職金課税の縮小は、納税者のライフプランや相続問題、中小企業の事業承継にも影響する大きな改正となるだけに、令和7年度税制改正で実現するのか、その動向を注視しておく必要があるだろう。
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