広がりつつある価格転嫁の裾野 コスト全体の転嫁率は45.7%に
経済産業省が公表した「価格交渉促進月間(2023年9月)フォローアップ調査(速報版)」では、前回調査(2023年3月)と比較して、「コストが上昇せず、交渉・転嫁が不要」とする企業が増加。
また、価格交渉について発注企業の意識向上したことにより、受注企業が価格交渉できる雰囲気が醸成されつつあるようだ。
そのため、価格転嫁について「全く転嫁ができなかった」という企業が大きく減少。価格転嫁の裾野が広がりつつあるとみられている。
調査結果(有効回答数3万5175社)によると、全体的な傾向として、価格転嫁・価格交渉ともに、「コストが上昇せず、価格転嫁は不要」の回答割合が、約2倍に増加。
価格交渉については、①「発注企業からの交渉申し入れをきっかけに交渉が行われた」企業の割合が約2倍に増加、②また、「コストが上昇し、交渉を希望したが、交渉が行われず」の割合は減少という結果となり、価格交渉しやすい雰囲気が徐々に醸成されつつある。
コスト全体の転嫁率は、3月時点より微減(47.6%→45.7%)となった。
一方で、「コストが上昇せず、価格転嫁が不要」の割合が約2倍に増加(8.4%→16.2%)。
コスト上昇が一服し、あるいは既に価格転嫁(値上げ)できたため、価格転嫁が不要と考える企業が増加傾向にある。
また、「全く転嫁できなかった」、「コストが増加したのに減額された」割合の合計は減少(23.5%→20.7%)。
価格転嫁の裾野は広がりつつある。
« 効率的・効果的な所得税調査実施 追徴税額は過去最高の1368億円 | トップページ | 法人6万2千件を実地調査 申告漏れ所得7801億円を把握 »
「企業」カテゴリの記事
- 企業数・営業収入・法人税が過去最高 国税庁 令和5年度会社標本調査(2025.05.22)
- 労働力調査 失業率改善・就業者増 女性と高齢者の就業が拡大(2025.05.20)
- 中小企業新事業進出促進補助金 第1回の公募要領がいよいよ公開(2025.05.16)
- 2025年版中小企業白書が公表 金利上昇の影響を試算したコラムが話題(2025.05.14)
- 業績回復には個人消費が鍵 人手不足・物価高が重荷に(2025.05.12)
「地域・伝統」カテゴリの記事
- 業績回復には個人消費が鍵 人手不足・物価高が重荷に(2025.05.12)
- 外国人建設技術者の採用・定着に向けて 国交省 中小企業向けの手引を公表(2025.05.02)
- 人口の自然減が過去最大を更新 ▲84万8728人 少子化加速(2025.04.08)
- 内閣府調査 今後3年間の設備投資 企業の75.8%が増加を計画(2025.04.04)
- 物価高などに苦しむ企業を支援する 政府の新しい保証制度がスタート(2025.03.31)
「中小企業」カテゴリの記事
- 企業数・営業収入・法人税が過去最高 国税庁 令和5年度会社標本調査(2025.05.22)
- 労働力調査 失業率改善・就業者増 女性と高齢者の就業が拡大(2025.05.20)
- 中小企業新事業進出促進補助金 第1回の公募要領がいよいよ公開(2025.05.16)
- 2025年版中小企業白書が公表 金利上昇の影響を試算したコラムが話題(2025.05.14)
- 業績回復には個人消費が鍵 人手不足・物価高が重荷に(2025.05.12)
「消費税」カテゴリの記事
- 中小企業に対する法人税の軽減 制度の大幅な見直しに現実味(2024.12.24)
- 国税庁 消費税還付申告への対応を公表 税務調査への協力などを呼びかけ(2024.12.13)
- 政府内で進む「法人税改革」の議論 令和7年度改正が大きな転換点に?(2024.11.15)
- 国税庁が勧める「優良な電子帳簿」 過少申告加算税が5%に軽減される(2024.10.31)
- 免税事業者のインボイス登録状況は BtoB中心事業者の73.3%が登録(2024.10.11)
「景気・世論・日本人」カテゴリの記事
- 企業数・営業収入・法人税が過去最高 国税庁 令和5年度会社標本調査(2025.05.22)
- 労働力調査 失業率改善・就業者増 女性と高齢者の就業が拡大(2025.05.20)
- 2025年版中小企業白書が公表 金利上昇の影響を試算したコラムが話題(2025.05.14)
- 業績回復には個人消費が鍵 人手不足・物価高が重荷に(2025.05.12)
- コンプラ違反倒産が379件で過去最高 業種別では「サービス業」が最多(2025.05.07)
「家計」カテゴリの記事
- 労働力調査 失業率改善・就業者増 女性と高齢者の就業が拡大(2025.05.20)
- 人手不足倒産、過去最多を更新 建設・物流業を中心に深刻化(2025.04.25)
- 家庭生活での男女の平等感 およそ6割が「男性優遇」を実感(2025.03.26)
- 「特定一般教育訓練」の指定講座 新規指定231講座で計1,016講座に(2025.03.14)
- 中小企業の57.7%で正社員が不足 運送業、建設業では人手不足感が顕著に(2025.03.10)
« 効率的・効果的な所得税調査実施 追徴税額は過去最高の1368億円 | トップページ | 法人6万2千件を実地調査 申告漏れ所得7801億円を把握 »
コメント