法人6万2千件を実地調査 申告漏れ所得7801億円を把握
国税庁が公表した法人税等の調査事績によると、今年6月までの1年間(2022事務年度)に、あらゆる資料情報と提出された申告書等の分析・検討を行った結果、大口・悪質な不正計算等が想定される法人など、調査必要度の高い法人6万2千件(前事務年度比52.3%増)を実地調査した。
その結果、申告漏れ所得金額は7801億円(同29.4%増)、法人税と消費税の追徴税額は3225億円(同39.8%増)だった。
申告内容に誤り等が想定される納税者に対しては、“簡易な接触”を活用し、自発的な申告内容等の見直し要請を6万6千件(前事務年度比▲0.7%)実施。
その結果、申告漏れ所得金額は78億円(同▲11.2%)、追徴税額は71億円(同▲32.0%)だった。
簡易な接触とは、税務署において書面や電話による連絡や来署依頼による面接により、納税者に対して自発的な申告内容の見直しなどを要請するもの。
新型コロナウイルスの影響がやや緩和され、調査件数、申告漏れ所得金額、追徴税額が増加するなか、実地調査1件当たりの追徴税額は524万1千円(前年度比▲8.1%)となった。
また、源泉所得税については、実地調査の件数は7万2千件で、源泉所得税等の非違があった件数は2万2千件、追徴税額は338億円。
簡易な接触の件数は13万件で、追徴税額は76億円となっている。