加熱するクラウドファンディング市場 PJ成功の肝は「サイトの見極め」にアリ
2000年代に米国で誕生した資金調達の新しい仕組みであるクラウドファンディング。
日本でも、2011年に「CAMPFIRE」「READYFOR」の2つが立ち上がったことで、徐々に広まりつつある。
矢野経済研究所の調査によれば、2020年度の国内クラウドファンディング市場規模は約1841億円で、前年から17.6%も増加している。
また、クラウドファンディングサイトもまさに“乱立”といった様相で、少し探しただけでも20以上がヒットするほどの過熱ぶりである。ただ、これほどサイトが増えると、どのサイトが最善なのか非常に判断に迷うところだ。
現在、プロジェクトの成功率が最も高いと言われているのが「Makuake」。
前払いで集めた代金を元手に製品を開発し、支援者に完成した製品・サービスを提供する「購入型」と呼ばれる形式で、サイバーエージェントグループの「株式会社Makuake」が運営している。メディアへの露出が多いことが強みだが、手数料は20%と最高水準。
また、前出の「CAMPFIRE」も同じく購入型で出資者数が多く、プロジェクトの成功件数では国内最大級。
手数料は17%と「Makuake」より低いのが強み。変わり種では、起案者が女性限定の購入型サイト「Kanatta」や、アート、音楽、写真、ゲーム、映画、書籍などの創作活動を支援する「MotionGallery」など、とにかく多種多様なサイトが存在している。
それぞれのサービスやプランを比較した上で、目的に合ったサイトを選択することが何より重要だ。
コロナ禍で一層注目を浴びているクラウドファンディングだが、目標金額を達成できず、資金調達ができないリスクが少なからずある。また、掲載ページの制作や継続的な情報発信・活動報告を行う必要があるなど、手間がかかることも事実。
純粋な資金調達を目的に活用することは「割に合わない」という意見もあるが、それでもなお「活動をしっかりと理解した上で、支援してくれる人」を獲得できる機会としては、とても魅力的な場であることは間違いないだろう。
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