ちば会計

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2021年9月

2021年9月28日 (火)

面倒な経済センサスの活動報告が簡素に?内閣府「税務情報の活用」の検討を関係省庁へ要請

内閣府の規制改革・行政改革担当大臣直轄チームが、経済センサスの活動調査に税務情報を活用し、事業者の回答負担を軽減するよう総務省及び国税庁へ検討を要請した。

  

毎回調査の時期になると「本当に面倒」という声が必ず聞こえてくるが、報告は事業者の義務とされており、報告を拒否する事業者には罰則(50万円以下の罰金)もある。

 
多忙な事業者にとっては、ちょっとした“厄介者”だ。しかし、そんな面倒な調査報告が、次回2026年度の調査から一気に簡略化される可能性がある。

  

検討のきっかけとなったのは、次の総理候補とも目されている河野太郎行政改革担当大臣が、就任直後に設置した規制改革・行政改革ホットライン(縦割り110番)。

  

ここに、ある個人事業主から「経済センサスの調査項目は、確定申告の売上等情報と重複している。税務情報を活用して回答負担を軽減して欲しい」という意見があり、今回これが取り上げられた形だ。

  

規制改革・行政改革担当大臣直轄チームは、税務情報を保有する総務省、国税庁と問題意識をただちに共有。

  

次回の調査より両省庁が保有する税務情報を活用することを目指し、8月下旬には早くも検討会を開催した。

  

検討会では「e-Tax上に経済センサス用の報告ボタンを設置する」といった施策が検討されているようだ。

  

経済センサスの活動調査には、毎回約7万人にも上る調査員が動員されている国の大規模事業で、調査費用も莫大。

  

省庁間の垣根を取り払うことで、より効率的かつ負担の少ない調査の形へと進化することを期待したい。

 

e-Taxの利用満足度67.5% 理由「税務署に行く必要がない」

国税庁が今年2月から5月にかけて実施した「e-Tax利用に関するアンケート調査」結果(有効回答数29万5080件)によると、e-Taxの利用満足度は67.5%、確定申告書等作成コーナーの利用満足度は88.3%にのぼった。

  
e-Taxや確定申告書等作成コーナーを利用するきっかけとなったものは、「国税庁ホームページ(e-Taxホームページ)」が45.2%と最も多く、次いで、「税務署からの案内文等」(22.9%)、「テレビ・ラジオ」(8.3%)となった。

  

利用した手続き(複数回答)は、「所得税申告」が72.7%と圧倒的に多く、次いで、「申請・届出手続き」(1.5%)、「消費税申告」(1.2%)、「納税手続き」(1.0%)が続いた。

  
利用しようと思った理由(複数回答)については、「税務署に行く必要がない」が84.8%と最も多く、次いで、「税務署の閉庁時間でも申告書等の提出(送信)ができる」(61.5%)、「申告書の作成・送信が容易である」(53.2%)、「パソコン(インターネット)を活用できる」(51.0%)、「申告内容の履歴が残り、管理しやすい」(40.9%)、「ペーパレス化が図られる」(36.0%)などの理由が挙げられている。

  
 なお、e-Taxを利用していない(又は利用をやめた)人(13万814件)の理由では、「ICカードリーダライタの取得に費用や手間がかかるから」が30.4%で最も多く、次いで、「電子証明書の取得(更新)に費用や手間がかかるから」(24.7%)が続き、この2つの理由が5割半ばを占めている。

 

2021年9月21日 (火)

各省庁の税制改正要望が公表!実現可能性の高い要望はどれ?

 8月31日に各省庁の税制改正要望が公表された。そこで今回は、税制改正要望の中で実現可能性が高く、かつ減税に繋がりそうな項目をいくつかご紹介したい。

       
 「実現可能性が高い」という意味で有力なのが、経済産業省、総務省が要望する新設項目「経済環境等の変化に対応するための中小企業のデジタル化の促進に資する税制上の所要の措置」。

      
これは、令和3年6月18日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2021」を踏まえたもので、「地方における中小企業も含めて非対面型ビジネスモデルへの変革や新産業モデルを創出する」ことを政策目標に掲げている。詳しい制度設計は未定だが、一定のデジタル投資を行った中小企業に対し国税、地方税の両面から税負担の軽減を行うというもの。

      
 同じく経済産業省の「コロナ禍等を踏まえた法人版・個人版事業承継税制に関する検討」という項目も興味深い。事業承継制については、平成30年度改正で特例制度が創設され、ここ数年は利用が大幅に増加したところ。 しかし、新型コロナ禍により売上を落とした企業ほど事業承継を後ろ倒ししているという状況を受け、円滑な事業承継を促すための改正、すなわち要件の緩和や、煩雑な手続きの見直しなどが行われると予想される。

         
 また、金融庁の「金融商品に係る損益通算範囲の拡大」も実現可能性は高いと見る。同庁では平成17年より「損益通算の範囲をデリバティブ取引・預貯金等にまで拡大すること」を要望してきたが、ことごとく弾かれてきた。

      
昨年7月には金融デリバティブの総合取引所が創設され、デリバティブが一般的な金融商品として取引されるインフラが整ったことで「いよいよ改正が濃厚」と目されたが、「租税回避の恐れがある」という理由から最終段階で見送られた経緯があり、動向が注目される。

 

国の借金、過去最大の1220.6兆円国民1人当たり約974万円に増加

 財務省が公表した、2021年6月末時点での国債や借入金などを合計した「国の借金」は、前年度末(2021年3月末)からは4兆1735億円増えて1220兆6368億円となり、過去最大を更新した。

        
 新型コロナウイルス感染の拡大を受けて編成された2021年度予算では、追加歳出や歳入不足の財源を全て国債の発行に頼っており、さらに今後の経済対策への財政出動が予想され、国の財政はより厳しい状況になりそうだ。

   
 6月末の国の借金は、2021年3月末に比べ、国債は約▲7.4兆円減の約1066.8兆円で全体の約87%を占め、うち普通国債(建設国債、赤字国債等)は、約▲4.6兆円減の約942兆円となった。

その内訳は、長期国債(10年以上)が約8.5兆円増加して過去最大の約723.2兆円、中期国債(2年から5年)も約5.7兆円増の約164.9兆円と増加したが、短期国債(1年以下)が約▲18.8兆円減の約53.9兆円となって全体を押し下げた。

    
 この「国の借金」1220兆6368億円は、2021年度一般会計予算の歳出総額106兆6097億円の約11.4倍、同年度税収見込み額57兆4480億円の約21.2倍である。年収500万円のサラリーマンが1億600万円の借金を抱えている勘定だ。

     
また、わが国の今年8月1日時点での推計人口1億2530万人(総務省統計局の概算値)で割ると、国民1人当たりの借金は、2021年3月末時点の約970万円から約974万円に増加している。

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