コロナ禍で事業転換を図る企業に 大切な「VRIO」の視点とは?
新型コロナ禍では、多くの企業が事業の見直しを迫られている。
国も事業の転換や再構築を支援するため事業再構築補助金という、過去に例のない規模の補助金を用意しているが、それが簡単でないことは言うまでもない。
「飲食店がデリバリー」というのも立派な事業転換だが、軌道に乗るかどうかは別の話だからだ。
企業はヒト・モノ・カネといった経営資源を使って活動するが、中でも大切なのが「競争優位をもたらす資源」。事業転換を考えるにあたっては、自社の経営資源が競争優位な状態にあるか分析・評価することが不可欠だ。
これを分析するフレームワークが「VRIO」。Value(経済価値)、Rarity(希少性)、Imitability(模倣困難性)、Organization(組織)の頭文字を取ったもので、これら4つが揃ったとき持続的な競争優位と経営資源が最大活用された状態が実現する。
トヨタを事例にVRIOを確認してみよう。トヨタは、いわゆる「トヨタ式生産方式」で高品質・低価格を実現させており、戦略上の価値(Value)を有している。
また、トヨタの工場は「人とロボットの共同作業」によって高品質と低価格を両立させるという特異なアプローチを取っており、希少性(Rarity)がある。
さらに、トヨタのような生産性を実現するには「自働化」の思想や部品メーカーとの連携が必要で、模倣困難性(Imitability)が高い。そして、不具合に即時対応するなど様々な面で組織(Organization)的な対応が行われている。
実は、こうした競争優位性が、事業再構築補助金の審査においてもキーポイントとなる。フランチャイズ化にかかる費用(加盟料は対象外)も対象となるほど“懐の深い”補助金だが、だからといって、単にフランチャイズに加盟し新事業を始めるだけでは、採択されない可能性は小さくない。
補助金を得るために事業を転換するわけではないが、少なくともこの補助金にチャレンジすることを通じて、企業は自社の競争優位性を再確認するよい機会になるだろう。
« 商品の価格表示、「総額表示」に 4月1日から税込価格を義務化 | トップページ | バレンタインショックの再来!? 国税庁が「名義変更プラン」にメス »
「市場創出・就職・人材」カテゴリの記事
- 在職中の学びを支援する新制度 教育訓練休暇給付金が10月1日開始(2025.11.18)
- 最低賃金が過去最大の引上げ 政府は中小企業支援を拡充(2025.10.01)
- 下請法改正、令和8年1月施行へ 価格転嫁と公正取引の実現を目指す(2025.09.05)
- 厚労省、人材開発政策の在り方を提言 「個別化」「共同・共有化」「見える化」が鍵 (2025.08.08)
- 飲食店の倒産、上半期で過去最多 2025年、通年では900件超も視野(2025.07.15)
「企業」カテゴリの記事
- 在職中の学びを支援する新制度 教育訓練休暇給付金が10月1日開始(2025.11.18)
- 金融庁 2025年度の行政方針を公表 企業価値担保権の活用を支援(2025.10.20)
- 最低賃金が過去最大の引上げ 政府は中小企業支援を拡充(2025.10.01)
- 財務総研が最新の分析結果を公表 高所得層のシェア変動が明らかに(2025.09.23)
- デジタル時代の遺言制度に向けて 法制審議会が中間試案を公表(2025.09.19)
「生き方 社会」カテゴリの記事
- 在職中の学びを支援する新制度 教育訓練休暇給付金が10月1日開始(2025.11.18)
- 金融庁 NISA制度の効果を検証 「長期・積立・分散」の定着を確認(2025.10.15)
- 厚労省、人材開発政策の在り方を提言 「個別化」「共同・共有化」「見える化」が鍵 (2025.08.08)
- 飲食店の倒産、上半期で過去最多 2025年、通年では900件超も視野(2025.07.15)
- 厚労省 能力開発基本調査結果を公表 人材育成の課題は「指導者不足」が上位(2025.06.30)
「IT関連」カテゴリの記事
- 在職中の学びを支援する新制度 教育訓練休暇給付金が10月1日開始(2025.11.18)
- 生成AI利活用の民事責任を議論 経産省が研究会を立ち上げ(2025.11.06)
- 金融庁 2025年度の行政方針を公表 企業価値担保権の活用を支援(2025.10.20)
- 財務総研が最新の分析結果を公表 高所得層のシェア変動が明らかに(2025.09.23)
- デジタル時代の遺言制度に向けて 法制審議会が中間試案を公表(2025.09.19)
「新型コロナウイルス感染症」カテゴリの記事
- 飲食店の倒産、上半期で過去最多 2025年、通年では900件超も視野(2025.07.15)
- 7月のテレワーク実施率は22.6% 「情報通信業」が56.2%で最上位(2024.09.30)
- 全国の雇用型テレワーカー24.8% ハイブリッドワークが拡大傾向に(2024.04.15)
- 「再生支援の総合的対策」の策定 コロナ資金繰り支援6月末に延長(2024.04.11)
- 22年度税金のムダ遣い580億円 税金の徴収漏れ約2億4千万円(2023.11.27)
« 商品の価格表示、「総額表示」に 4月1日から税込価格を義務化 | トップページ | バレンタインショックの再来!? 国税庁が「名義変更プラン」にメス »


コメント