経産省「健康経営銘柄2021」を公表 データを活用した取り組みがトレンドに
経済産業省が「健康経営銘柄2021」を公表した。健康経営銘柄とは、社員の健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に実践する上場企業のこと。
7回目を迎えた今回は29業種48社が選定された。選定基準は①経営理念・方針②組織・体制③制度・施策実行④評価・改善⑤法令遵守・リスクマネジメントの5点だが、さらに詳しく見ると「職場の活性化」「ワークエンゲイジメント」などの項目も。従業員の健康増進に取り組んでいることはもはや当然で、健康経営を通じ「組織が活性化しているか」といったプラスの要素が問われていることが分かる。
選定企業の多くが「データ」を上手に活用しているのも興味深い。7年連続で選定された花王株式会社は、健康データ(問診・健診・就業・疾病等)を収集・解析することで、社員ひとりひとりに適切な改善アドバイスを送っているという。
また、3度目の選定となったオムロン株式会社も、運動・睡眠・メンタルヘルス・食事・タバコを「Boost5」として指標化。KPIを設けることで、社員に自発的な健康管理を促している。
ところで、健康経営に必ず付いて回るのが「リターンが見えない」という声。社員が心身ともに健康であれば、パフォーマンスが最大化され業績にも良い影響がある。漠然とは理解できるが、目に見える指標がなければ企業は投資しづらい。
こうした声に一石を投じたのが、ジョンソンエンドジョンソンだ。同グループは2011年、グループ250社を対象に実施した健康プログラムへの投資に対するリターンが3倍にも上ったという試算を公表。ニューズウィーク誌でも取り上げられ話題になった。
コロナ禍では、全ての企業が健康と向き合うことになったが、安心して働ける会社へと成長するため、これを機に健康への取り組みを加速してはどうだろうか。
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