JALが「レディース&ジェントルメン」を廃止!企業がジェンダーニュートラルに取り組む意義
「レディース&ジェントルメン」から始まる英語のアナウンス。JALはこれを2020年10月から廃止、もしくは別の表現に変更すると発表。
「性別を前提とした敬称」から「ジェンダーニュートラルな表現にするため」だという。ジェンダーニュートラルとは、男女の性差に偏らない考え方のこと。
近年では、性的マイノリティであるLGBTへの配慮から、性差を極力なくした制服を採用する中学校が登場したりしている。
一方、性差の偏りをなくす必要性を感じない人もいるのは事実だ。とりわけLGBTに対する取り組みには抵抗を示す人も少なくない。
代表的なのが、2018年に杉田水脈衆議院議員が雑誌で発表した「LGBTは子供を作らない、つまり『生産性』がない」として、支援のために税金を投入することに疑問を呈した意見だ。この意見は激しい反発を生んだが、その後も当人は議員を続けており、自民党も処分はしていない。
このことからも、ジェンダーやLGBTの問題は、社会的なコンセンサスを得たとはいえないことがわかる。
ただし、企業にとって、ジェンダーニュートラルへの取り組みは生き残りに欠かせないパーツとなる可能性がある。
現代社会において、消費者のニーズは多様化・複雑化の一途をたどっており、マニュアル対応のみでは通用しない。多様性を認め、活用することが競争で勝ち抜くうえで不可欠となってきているのだ。
大手企業は、そのことを早くから理解しており、2017年の時点で、日本経済団体連合会(経団連)の会員企業の42.1%はLGBTへの取り組みを実施していた。もちろん、社内制度をLGBT対応するだけで「ダイバーシティ・マネジメント」が実現できるわけではない。
しかし、少なくとも硬直化した評価制度による年功序列を見直す気運を生み出し、マイノリティをしっかりと評価する風土を醸成していくことで、多様なニーズに柔軟な対応ができるようになるだろう。
« 「ドコモ口座」事件は何が問題なのか? 今の経営者に欠かせない資質が浮き彫りに | トップページ | アルバイトの源泉徴収計算に注意 副業かどうかの確認がポイント »
「市場創出・就職・人材」カテゴリの記事
- 労働力調査 失業率改善・就業者増 女性と高齢者の就業が拡大(2025.05.20)
- 業績回復には個人消費が鍵 人手不足・物価高が重荷に(2025.05.12)
- 外国人建設技術者の採用・定着に向けて 国交省 中小企業向けの手引を公表(2025.05.02)
- 人手不足倒産、過去最多を更新 建設・物流業を中心に深刻化(2025.04.25)
- 内閣府調査 今後3年間の設備投資 企業の75.8%が増加を計画(2025.04.04)
「企業」カテゴリの記事
- 企業数・営業収入・法人税が過去最高 国税庁 令和5年度会社標本調査(2025.05.22)
- 労働力調査 失業率改善・就業者増 女性と高齢者の就業が拡大(2025.05.20)
- 中小企業新事業進出促進補助金 第1回の公募要領がいよいよ公開(2025.05.16)
- 2025年版中小企業白書が公表 金利上昇の影響を試算したコラムが話題(2025.05.14)
- 業績回復には個人消費が鍵 人手不足・物価高が重荷に(2025.05.12)
「景気・世論・日本人」カテゴリの記事
- 企業数・営業収入・法人税が過去最高 国税庁 令和5年度会社標本調査(2025.05.22)
- 労働力調査 失業率改善・就業者増 女性と高齢者の就業が拡大(2025.05.20)
- 2025年版中小企業白書が公表 金利上昇の影響を試算したコラムが話題(2025.05.14)
- 業績回復には個人消費が鍵 人手不足・物価高が重荷に(2025.05.12)
- コンプラ違反倒産が379件で過去最高 業種別では「サービス業」が最多(2025.05.07)
「生き方 社会」カテゴリの記事
- 企業数・営業収入・法人税が過去最高 国税庁 令和5年度会社標本調査(2025.05.22)
- 労働力調査 失業率改善・就業者増 女性と高齢者の就業が拡大(2025.05.20)
- 業績回復には個人消費が鍵 人手不足・物価高が重荷に(2025.05.12)
- 内閣府調査 今後3年間の設備投資 企業の75.8%が増加を計画(2025.04.04)
- 家庭生活での男女の平等感 およそ6割が「男性優遇」を実感(2025.03.26)
「若年層・シニア層」カテゴリの記事
- 人口の自然減が過去最大を更新 ▲84万8728人 少子化加速(2025.04.08)
- 令和7年度税制改正大綱が公表 基礎控除は「10万円引き上げ」(2025.01.22)
- 全労働者に占める若年労働者割合 5年前に比べて3.6ポイント低下(2024.11.05)
- 正社員に占める女性割合27.3% 係長以上の女性管理職割合15.1%(2024.09.05)
- 「特定一般教育訓練」の指定講座 新規指定146講座で計707講座に(2024.03.08)
「働き方」カテゴリの記事
- 労働力調査 失業率改善・就業者増 女性と高齢者の就業が拡大(2025.05.20)
- 業績回復には個人消費が鍵 人手不足・物価高が重荷に(2025.05.12)
- 外国人建設技術者の採用・定着に向けて 国交省 中小企業向けの手引を公表(2025.05.02)
- 人手不足倒産、過去最多を更新 建設・物流業を中心に深刻化(2025.04.25)
- 家庭生活での男女の平等感 およそ6割が「男性優遇」を実感(2025.03.26)
« 「ドコモ口座」事件は何が問題なのか? 今の経営者に欠かせない資質が浮き彫りに | トップページ | アルバイトの源泉徴収計算に注意 副業かどうかの確認がポイント »
コメント