家内労働者等の必要経費の特例 実際の経費が55万円未満も適用
事業所得又は雑所得の金額は、総収入金額から実際にかかった必要経費を差し引いて計算することになっている。
しかし、家内労働者等の場合には、必要経費として55万円まで(2019年分以前は65万円)認められる特例がある。
家内労働者等とは、家内労働法に規定する家内労働者や、外交員、集金人、電力量計の検針人のほか、特定の者に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする人をいう。
家内労働者等の所得が事業所得又は雑所得のどちらかの場合の控除額は、実際にかかった経費が55万円未満のときであっても、所得金額の計算上必要経費が55万円まで認められる。
また、事業所得と雑所得の両方の所得がある場合、実際にかかった経費の合計額が55万円未満のときも同様に必要経費が合計で55万円まで認められる。
この場合には、55万円と実際にかかった経費の合計額との差額を、まず雑所得の実際にかかった経費に加えることになる。
家内労働者などによる所得のほか、給与の収入金額がある場合は、(1)給与の収入金額が55万円以上あるときは、この特例は受けられない。
(2)給与の収入金額が55万円未満のときは、55万円からその給与に係る給与所得控除額を差し引いた残額と、事業所得や雑所得の実際にかかった経費とを比べて高いほうがその事業所得や雑所得の必要経費になる。
このため、給与の収入金額が55万円以上ある場合には、この特例の適用はない。
« 酒類の手持品課税10月1日実施 引上対象酒類が1800ℓ以上は申告 | トップページ | 「ドコモ口座」事件は何が問題なのか? 今の経営者に欠かせない資質が浮き彫りに »
「所得税」カテゴリの記事
- 令和7年度税制改正大綱が公表 基礎控除は「10万円引き上げ」(2025.01.22)
- 中小企業に対する法人税の軽減 制度の大幅な見直しに現実味(2024.12.24)
- 政府内で進む「法人税改革」の議論 令和7年度改正が大きな転換点に?(2024.11.15)
- 23年度国税の滞納残高は9276億円 消費税の新規滞納増で4年連続増加(2024.10.03)
- ふるさと納税の寄附件数過去最高 寄附額1.1兆円と初の1兆円超え(2024.09.17)
« 酒類の手持品課税10月1日実施 引上対象酒類が1800ℓ以上は申告 | トップページ | 「ドコモ口座」事件は何が問題なのか? 今の経営者に欠かせない資質が浮き彫りに »
コメント