賃貸物件の賃料減額は原則寄附金 一定条件を満たせば損金算入可能
新型コロナウイルスの影響で売上減少に苦しむ事業者が多いなか、賃料物件のオーナーが賃料の減額を行うケースもあるようだが、その賃料の減額分について、法人税の取扱上、寄附金として損金算入できないことになるのだろうか。
国税庁によると、事業者が、賃貸借契約を締結している取引先等に対して賃料の減額を行った場合、その賃料を減額したことに合理的な理由がなければ、減額前の賃料の額と減額後の賃料の額との差額については、原則として、相手方に対して寄附金を支出したものとして税務上、取り扱われることになる。
しかし、賃料の減額が、例えば、以下の条件を満たすものであれば、実質的には取引先等との取引条件の変更と考えられるので、その減額した分の差額については、寄附金として取り扱われることはないと説明している。
その条件とは、(1)取引先等において、新型コロナウイルスに関連して収入が減少し、事業継続が困難となったこと、又は困難となるおそれが明らかであること、
(2)不動産貸付業者が行う賃料の減額が、取引先等の復旧支援(営業継続や雇用確保など)を目的としたものであり、そのことが書面などにより確認できること、
(3)賃料の減額が、取引先等において被害が生じた後、相当の期間(通常の営業活動を再開するための復旧過程にある期間をいう)内に行われたものであること、を挙げて、これらを満たすものであれば、寄附金として取り扱われることはないとの見解を示している。
« 自転車通勤のメリットと、労働生産性の向上やメンタルケア | トップページ | 全ての施設で屋内禁煙が義務化! 事業者が注意すべきポイントは!? »
「寄付金」カテゴリの記事
- ふるさと納税の寄附件数過去最高 寄附額1.1兆円と初の1兆円超え(2024.09.17)
- 2021年度の企業版ふるさと納税 寄附件数2.2倍・金額2.1倍に増(2022.09.16)
- ふるさと納税の寄附が過去最高に 約3489万件、金額は約6725億円(2021.08.17)
- ふるさと納税寄附額は7年ぶり減過度な返礼品競争に一定の歯止め(2020.08.27)
- 従業員等に対する見舞金の取扱い 非課税所得に該当する範囲を明示(2020.06.10)
「震災・災害」カテゴリの記事
- 中小企業が普段意識している災害 「地震」「火災」「風・水害」など(2024.08.23)
- 23年労災災害発生の度数率は上昇 死傷者1人平均労働損失日数は減少(2024.06.28)
- 2023年における労働災害発生状況 死亡者数は755人で過去最少記録(2024.06.20)
- 2022年労災死傷者数は約13万人 うち死亡者数は774人で過去最少(2023.06.26)
- 21年労働災害、死亡者数は867人 死傷者数は1998年以降では最多(2022.07.05)
「中小企業」カテゴリの記事
- M&Aアドバイザーの信頼性向上へ 中小企業庁が資格制度創設を検討(2025.07.03)
- 厚労省 能力開発基本調査結果を公表 人材育成の課題は「指導者不足」が上位(2025.06.30)
- 企業数・営業収入・法人税が過去最高 国税庁 令和5年度会社標本調査(2025.05.22)
- 労働力調査 失業率改善・就業者増 女性と高齢者の就業が拡大(2025.05.20)
- 中小企業新事業進出促進補助金 第1回の公募要領がいよいよ公開(2025.05.16)
「法人税」カテゴリの記事
- 企業数・営業収入・法人税が過去最高 国税庁 令和5年度会社標本調査(2025.05.22)
- 令和7年度税制改正法案が国会提出 所得税の基礎控除引き上げなどが目玉(2025.02.28)
- 法人税率の中小特例が見直し 年間所得10億円超は「税率17%」に(2025.01.27)
- 中小企業に対する法人税の軽減 制度の大幅な見直しに現実味(2024.12.24)
- 国税庁 消費税還付申告への対応を公表 税務調査への協力などを呼びかけ(2024.12.13)
「所得税」カテゴリの記事
- 企業数・営業収入・法人税が過去最高 国税庁 令和5年度会社標本調査(2025.05.22)
- 令和7年度税制改正法案が国会提出 所得税の基礎控除引き上げなどが目玉(2025.02.28)
- 令和7年度税制改正大綱が公表 基礎控除は「10万円引き上げ」(2025.01.22)
- 中小企業に対する法人税の軽減 制度の大幅な見直しに現実味(2024.12.24)
- 政府内で進む「法人税改革」の議論 令和7年度改正が大きな転換点に?(2024.11.15)
「住宅」カテゴリの記事
- 国外財産は6兆4,897億円で過去最高 国外財産調書の提出件数は13,243件(2025.02.21)
- 2024年基準地価、3年連続上昇 地方四市以外も32年ぶりに上昇(2024.10.25)
- 路線価は+2.3%と3年連続上昇 日本一は39年連続で東京・銀座(2024.08.09)
- 路線価は7月1日に公表の予定 注目される公示地価上昇の影響(2024.05.31)
- 2024年の公示地価は3年連続上昇 三大都市圏・地方圏とも上昇継続(2024.04.12)
「新型コロナウイルス感染症」カテゴリの記事
- 7月のテレワーク実施率は22.6% 「情報通信業」が56.2%で最上位(2024.09.30)
- 全国の雇用型テレワーカー24.8% ハイブリッドワークが拡大傾向に(2024.04.15)
- 「再生支援の総合的対策」の策定 コロナ資金繰り支援6月末に延長(2024.04.11)
- 22年度税金のムダ遣い580億円 税金の徴収漏れ約2億4千万円(2023.11.27)
- アフターコロナ「毎日出社」53% 理想の出社「週3日以上」が63%(2023.09.06)
« 自転車通勤のメリットと、労働生産性の向上やメンタルケア | トップページ | 全ての施設で屋内禁煙が義務化! 事業者が注意すべきポイントは!? »
コメント