特効率的・効果的な所得税調査 1割の実調で申告漏れ6割把握
国税庁によると、個人に対する今年6月までの1年間(2018事務年度)の所得税調査は、61万1千件行われた。
そのうち、約61%に当たる37万4千件からほぼ横ばいの9041億円の申告漏れ所得を見つけた。その追徴税額は1195億円。1件平均148万円の申告漏れに対し17万円を追徴した。
実地調査における特別調査・一般調査(高額・悪質な不正計算が見込まれるものを対象に行う深度ある調査)は5万件を実施、うち4万4千件から総額5236億円の申告漏れ所得を見つけ、903億円を追徴。件数では全体の8.2%に過ぎないが、申告漏れ所得金額は全体の57.9%を占めた。
また、実地調査に含まれる着眼調査(資料情報や事業実態の解明を通じて行う短期間の調査)は2万3千件行われ、うち1万7千件から788億円の申告漏れを見つけ、59億円を追徴。
1件当たり平均申告漏れは336万円。一方、簡易な接触は53万7千件行われ、うち31万3千件から3017億円の申告漏れを見つけ233億円を追徴。1件当たりの平均申告漏れは56万円だった。
実地調査トータルでは7万4千件の調査を行い、うち6万1千件から6024億円の申告漏れを見つけ、961億円を追徴した。
つまり、実地調査件数は全体の12.1%と約1割に過ぎないが、申告漏れ所得全体の6割半ば(66.6%)を把握しており、効率的・効果的な所得税調査が実施されていることが裏付けられた。
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