ニコン、衝撃の純利益前年度比50%減 斜陽を迎えたカメラ産業が打つ次の一手は?
日本の製造業が置かれている立場は厳しい。その中で唯一気を吐いていたのがデジタルカメラ。しかし、最後の砦ともいえるこの市場が急速に萎んでいる。
象徴的なのが、トップを争う2社の業績だ。ニコンは2019年4~6月期の連結決算で純利益が前年同期比50%減の82億円。キヤノンは2019年12月期の連結純利益が37%減の1,600億円と予想している。
原因は明らか。コンパクトデジカメ(コンデジ)を持ち歩く人はほとんど見かけなくなった。スマートフォンのカメラ性能が向上し、SNSでの活用が増えたことで、コンデジはその役割を終えたといってもいい。
この事態を目の当たりにして想起するのは、富士フイルムの鮮やかな事業転換。写真の世界で欠かせなかったフィルムが、驚くべきスピードで不要となったのは記憶に新しい。
富士フイルムが優れていたのは、コンデジで一定の成果を挙げながら、潔く「写真」に見切りをつけたこと。そして、自らの技術を活かす道としてヘルスケア事業に注力した。
現在、フィルム事業で培った技術を活かし、大きな成長が見込める再生医療市場で存在感を発揮している。
富士フイルムの成功は、既存事業との連続性を見出したことにあるのは間違いない。ニコンは、2020年に製造業の現場サポートを見据えた人材派遣会社の設立を予定しているが、これも同様の手法といえる。
シニア層の就業選択肢を広げることを視野に展開するとしており、時代とのマッチングも期待できそうではある。果たしてこの一手がニコンを救うことにつながるのか否か、注目したいところだ。
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