ロボアドバイザーの市場規模が拡大予想 資産運用業界でのポジションはどうなる?
日本能率協会総合研究所は、投資一任型の資産運用ロボットアドバイザー(ロボアド)市場が2020年度までに約110万口座、2023年度には約260万口座へ達するとの推計結果を発表した。
市場規模拡大の理由として、最低投資金額の引き下げやネット銀行・証券との連携など利便性の向上、年金制度への不安などによる若年層の資産運用への関心の高まり、TVCMなどのプロモーション展開による認知の広がりと利用者の増加が挙げられている。
昨今は、社会保障への不安だけでなく、低金利政策で預貯金による資産形成が期待できず、資産運用に向かわざるを得ない「貯金から投資」の時代。
それゆえに資産運用商品が乱立し、投資初心者が適切なものを見つけるのは困難。そんな中、投資対象の選定や資金配分、売買まですべて自動である投資一任型ロボアドの需要が増えるのは必然だ。
しかし、推計どおり市場が260万口座に到達しても、資産運用の市場全体から見ればまだまだ規模は小さい。ネット証券最大手のSBI証券の総合口座数は約463万。単純比較はできないが、投資一任型ロボアドの全体利用者数はその6割にも満たないうえ、サービスの性質上、投資金額の大幅拡大も望めない。
とはいえ、個人金融資産の5割以上が現預金であることを踏まえると伸びしろは十分。成長のカギは投資初心者の動向であり、その関心を集める材料をいかに提示するかが重要だ。
とりわけ、手数料収入アップのためロボアドの導入を進めている地域金融機関の底力が問われることになりそうだ。
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