過去最高益 キッコーマンの意外な利益構成 右肩上がりの成長を支えるビジネスモデル
キッコーマンが発表した2019年3月期の売上高は、前期比5.3%増の4,535億円。営業利益は同5.2%増の384億円、純利益は同9%増の259億円といずれも過去最高を更新。
国内外とも好調だが、特に海外での伸びは凄まじい。売上高4,535億円のうち2,730億円が海外での売上で、営業利益に及んでは、実に7割以上が海外に起因している。
なぜ海外でここまで成功しているのか。その要因は、醤油という調味料単体で勝負していないこと。
もちろん、醤油自体の売上も伸びており、ここ40年間の販売数量平均伸び率は7.8%にも上る。しかし、より成功に貢献しているのは卸売事業だ。今期は1,921億円の売上高を記録し、すでに全体の4割以上を占める規模にまで成長。もはや主要事業と言っても差し支えないレベルだ。
同社がこの取り組みをはじめたのは、ちょうど50年前のこと。
1969年に米・ジャパン・フード社(現・JFCインターナショナル)の経営に参画し、日本食を広めるソリューション型のビジネスを地道に展開、現在の繁栄の基礎を築いてきた。
JFCインターナショナルは今や、全米21拠点を擁し、1万アイテム以上の商品を取扱っている。
日本食が世界的にブームになっているのは周知の事実だが、同社の取り組みが多少なりとも貢献しているのは間違いない。
単に販売するのではなく、スタイルとカルチャーを意識したソリューションを提案することの大切さを、キッコーマンのビジネスモデルは教えてくれている。
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