事業用小規模宅地特例を見直し 貸付事業用の宅地等も適用除外
「特定事業用宅地等に係る小規模宅地の特例」の適用要件が2年続けて見直された。
この特例は、相続人が事業を継続すること等を要件に、事業用宅地等の相続税の課税価格を8割又は5割減額する制度。2018年度改正では、一定要件を満たす「家なき子特例」とともに、相続開始前3年以内に貸付事業の用に供された宅地等が対象から除外された。
さらに2019年度改正では、特定事業用宅地等の範囲から「相続開始前3年以内に新たに事業の用に供された宅地等」が除外されることになり、2019年4月1日以後に相続・遺贈により取得する宅地等の相続税から適用されている。
これにより、貸付事業用の小規模宅地等特例の例にならい、節税目的の駆込み的な適用が不可能となった。
ただし、上記のような宅地に該当する場合であっても、①「その宅地で事業の用に供されている減価償却資産の価額」が「その宅地等の価額」の15%以上であり、②事業を行っていた被相続人等の事業の用に供されたものである場合――に限り、従来と変わらず特例の適用対象とされた。
なお、一連の改正の背景には、会計検査院の実態調査により、特例を適用した納税者のうち、相続発生から短期間で宅地等を譲渡していた者が多数いたことが明らかになったことがある。
この調査を受けて会計検査院は、「事業や居住の継続への配慮という政策目的に沿ったものとなっていない」と指摘していた。
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