注目を集める「給与前払いサービス」 そのメリットと注意すべきポイントとは?
働いた分だけすぐ現金が受け取れる「給与前払い」がトレンドとなりつつある。人材派遣を手がけるツクイスタッフが、給与前払いサービス「キュリカ」の導入を開始。
「キュリカ」は、人材派遣大手のヒューマントラストが2016年にスタートし、昨年10月時点で11万人が利用している。
八千代銀行と東京都民銀行、新銀行東京の3行合併で昨年発足し、東京都内では最大級の地銀となったきらぼし銀行も「前給」と銘打った給与前払いサービスを展開。導入企業は700社を超えた。
背景にあるのは、深刻な人手不足と、労働者の4割近くまで膨れ上がっている非正規雇用の増加。賃金が上がらずやりくりが厳しい人にとっては、必要なときに「給与」が引き出せるのが魅力的であり、企業側にとっては有効な引き留め策になるというわけだ。
実際、この制度を導入して離職率が半減した大手飲食チェーンもあり、前述のツクイスタッフも同様の効果を狙ったのだろう。
しかし、給与前払いサービスの多くは、従業員側に手数料を課す。その額は、良心的とされる「キュリカ」で原則432円。
対価がかかるのは当然だが、従業員の給与が目減りしていくため、長い目で見ればQOL向上につながらないことは明白で、本質的な意味での福利厚生にはならない。
今後、人口減少スピードがさらに加速することを踏まえると、企業が生き残るためには人材の質向上が不可欠。長期的な視点に立てば、「給与前払い」は諸刃の剣と言えるかもしれない。
« タクシーチケットの税務処理に注意 求められる利用実態に応じた処理 | トップページ | 「航空マイル」で投資が可能に! ANAがおつり投資アプリ「トラノコ」と連携 »
「市場創出・就職・人材」カテゴリの記事
- 内閣府が令和7年度の経済見通しを公表 実質成長率は1.2%程度の見込み(2025.01.31)
- 厚労省、外国人雇用実態調査結果を公表 平均給与は月額26万7,700円(2025.01.24)
- 令和7年度税制改正大綱が公表 基礎控除は「10万円引き上げ」(2025.01.22)
- 日本の時間当たり労働生産性 OECD加盟38ヵ国中29位(2025.01.17)
- 新規開業、女性の割合が過去最高 開業費用の平均値は985万円(2024.12.27)
「企業」カテゴリの記事
- 法人税率の中小特例が見直し 年間所得10億円超は「税率17%」に(2025.01.27)
- 厚労省、外国人雇用実態調査結果を公表 平均給与は月額26万7,700円(2025.01.24)
- 令和7年度税制改正大綱が公表 基礎控除は「10万円引き上げ」(2025.01.22)
- 中堅・中小企業の拠点投資が活発化 およそ5割が新設・拡張を計画(2025.01.10)
- 会計検査院が「特定検査」で指摘 類似業種比準方式は「低すぎる」(2025.01.06)
「景気・世論・日本人」カテゴリの記事
- 外国人旅行者向け消費税免税制度 出国時に返金する「リファンド方式」へ(2025.02.04)
- 内閣府が令和7年度の経済見通しを公表 実質成長率は1.2%程度の見込み(2025.01.31)
- 厚労省、外国人雇用実態調査結果を公表 平均給与は月額26万7,700円(2025.01.24)
- 令和7年度税制改正大綱が公表 基礎控除は「10万円引き上げ」(2025.01.22)
- 日本の時間当たり労働生産性 OECD加盟38ヵ国中29位(2025.01.17)
「家計」カテゴリの記事
- 内閣府が令和7年度の経済見通しを公表 実質成長率は1.2%程度の見込み(2025.01.31)
- 令和7年度税制改正大綱が公表 基礎控除は「10万円引き上げ」(2025.01.22)
- 日本の時間当たり労働生産性 OECD加盟38ヵ国中29位(2025.01.17)
- 新規開業、女性の割合が過去最高 開業費用の平均値は985万円(2024.12.27)
- 政府の総合経済対策が閣議決定 103万円の壁解消に向け一歩前進(2024.12.10)
« タクシーチケットの税務処理に注意 求められる利用実態に応じた処理 | トップページ | 「航空マイル」で投資が可能に! ANAがおつり投資アプリ「トラノコ」と連携 »
コメント