「人材を選ぶ」時代から「企業が選ばれる」時代へ “募集要項のない中途採用”を開始した企業も
厚生労働省が発表した7月の有効求人倍率は1.63倍と、44年半ぶりの高水準。一方で完全失業率は2.5%と悪化しており、求職者が仕事を選んでいる様子が見て取れる。
実際、総合求人サイトを運営するディップの調査によれば、求人企業の43%が「求人媒体に掲載しても応募が来ない」と回答しているという。
そんな中、求職者の希望を最大限に尊重しようとする企業も出てきた。ソーシャルビジネスを展開するボーダレス・ジャパンは、「募集要項のない中途採用」として求職者の「やりたいこと」をベースに仕事を提案する採用をスタートさせている。
必要なスキルや経験年数といった条件を定めず、門戸を目一杯広げて求職者の希望を掬い上げようというわけだ。選考は求職者が「やってみたい」との意思を表明してから行うため、実質的な主導権は企業側にないということになる。
ソーシャルビジネスという事業特性もあり、ボーダレス・ジャパンの採用がどの業種にも当てはまるとは考えにくい。注目すべきは、従来なかった「求職者主導型」の採用法を選択した点にある。
経団連の会長が就活ルールを廃止する意向を表明するなど、新卒一括採用はすでに崩壊している。
リクルートは「30歳まで応募可能」「通年エントリー」を打ち出しており、今後は新卒と中途の差がなくなる可能性も高い。
従来の採用活動の常識を覆し、新たな策を積極的に打ち出すことが求められるときがやってきたのかもしれない。
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