同業他社間で人材採用を相互に受け入れ! 大手私鉄11社のダイバーシティマネジメント
日本民営鉄道協会に所属する大手私鉄11社がこのほど、「民鉄キャリアトレイン」を立ち上げた。
これは、配偶者の転勤や家族の介護といったライフイベントによって、これまでの勤務場所での就労継続が困難になった社員を相互に受け入れるスキーム。
例えば首都圏の私鉄に勤務して近隣に住んでいた社員が何らかの事情で関西圏に転居する必要が生じたとき、名鉄や阪急、阪神で働けるチャンスが作れるという。つまり、鉄道会社でのキャリアを同業他社で生かせる仕組みだ。
このスキームを提案したのは東急。年間数十人の女性総合職が配偶者の転勤を理由に退職していたため、各社に提案して実現した。
同業種での専門的なキャリアがあり、高いスキルを持つ人材は即戦力となるため、ニーズがあるのは当然。人材仲介業者や求人広告を通さなくてもそうした人材と出会えるのだから実用的な取り組みといえる。
転職を必ずしも保証する仕組みではないというが、中途採用に関する同業者間の連携は、社員にも安心感を与える。里帰りしたい社員の受け入れや、出向、転籍といった幅広い対応も考慮し、新たな形のダイバーシティマネジメントが期待される。
今後、参加する私鉄各社が成果を随時公表することで、他の業界でも同様の取り組みが広がる可能性がある。人材の流動性を高めつつ、キャリアや専門性を生かす仕事を確保する――真の意味の働き方改革が、ここから生まれていくのかもしれない。

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