京王電鉄、AI(人工知能)事業で産学連携 「大学支援で沿線ブランド向上」の戦略とは
急速に進む少子高齢化社会で、日本の人口は今後30年間で2,000万人以上の減少が見込まれる。激変する社会環境を見据えた経営戦略が企業には求められている。
こうした流れの中、新たな事業をスタートさせたのが京王電鉄だ。
沿線にある国立大学法人・電気通信大学(調布市)の坂本真樹大学院教授との共同出資で、「感性AI株式会社」を設立した。
AI(人工知能)研究の第一人者である坂本教授は、言葉と五感の関係性に着目した研究を推進。主観的で曖昧な言葉やオノマトペ(擬音語・擬態語)を、AIで数値化して客観的に評価する「オノマトペ感性評価システム」の構築に取り組んでいる。
印象を数量化することで、従来にはなかった新たなマーケティング手法の開発や商品・サービスの創造が期待されている。
今回の協働で、京王電鉄は「本業」のブランドの価値向上も狙う。京王沿線には電気通信大学以外にも多数の大学や研究機関が存在。
オープンイノベーションの手法で新事業の創出を目指しつつ、研究や大学自体の振興を後押しすることで「京王沿線には独創的な教育機関が多い」「京王電鉄は教育支援に積極的」といった「沿線ブランド」の向上が期待できる。
首都圏の大学には「都心回帰」の動きも著しい。事業環境を見据えて「沿線価値の創出」を旗印にした京王電鉄の戦略は、多くの企業に示唆に富む手法といえよう。
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