消費税不正還付申告法人への実地調査 追徴税額128億円と前事務年度の4倍
虚偽の申告により不正に消費税の還付金を得るケースが見受けられる。国税庁は、こうした不正還付等を行っていると認められる法人については、的確に選定し、厳正な調査を実施している。
今年6月までの1年間(2016事務年度)においては、消費税還付申告法人6867件(前年対比8.1%減)に対し実地調査を実施し、消費税296億1500万円(同94.6%増)を追徴課税したことが明らかになった。
実地調査した6867件のうちの約12%に当たる802件(前年対比5.0%増)は不正に還付金額の水増しなどを行っていたとして、127億9900万円と前事務年度(約30億円)の4倍の追徴課税をしている。
消費税還付申告法人に対する追徴課税の推移をみると、2014事務年度は約77億円(不正に係る追徴税額11億円)、2015事務年度は約152億円(同約30億円)、そして2016事務年度は約296億円(同約128億円)と大幅に伸びている。
調査事例をみると、多額の還付申告に着目し、不正還付を解明したものがある。大阪国税局管内で特殊器具の加工・製造を営むA社は、消費税の還付申告内容に不審点があったため調査を実施。
その結果、A社は、国内取引を輸出取引に仮装する手口で、不正に消費税の還付を得ようとしていることが判明した。A社に対しては、3年間分の消費税について追徴税額1900万円(加算税込み、重加算税有)が課されている。
« 「所有」から「期間契約」の時代へ レンタカーサブスクリプション方式で変わるビジネス | トップページ | 「不動産の使用料等の支払調書」 年中の支払金額合計が15万円超 »
「企業」カテゴリの記事
- インボイス制度を見直す税制改正 納付税額を消費税額の2割に軽減(2023.01.18)
- 創業100年以上の老舗は4.3万社 社寺建築の金剛組は業歴1445年(2023.01.11)
- 2021年日本の労働生産性は27位 時間当たり労働生産性は5006円(2023.01.04)
- 9月中間決算GC注記企業23社 重要事象記載は62社と高止まり(2022.12.21)
「税務調査 他」カテゴリの記事
- 2021事務年度法人税調査を公表 申告漏れ所得金額6028億円把握(2022.12.14)
- 帳簿の提出がない場合等の整備 過少申告加算税等の加重措置(2022.08.08)
- 審査の請求での救済割合が大幅増 再調査の請求・訴訟のそれは減少(2022.07.27)
- 21年度査察、摘発件数は103件 告発分脱税総額は最少の61億円(2022.07.22)
- 不適切な会計・経理の開示企業 開示社数は7年連続50件以上(2022.02.16)
「中小企業」カテゴリの記事
- インボイス制度を見直す税制改正 納付税額を消費税額の2割に軽減(2023.01.18)
- 2021年日本の労働生産性は27位 時間当たり労働生産性は5006円(2023.01.04)
- 9月中間決算GC注記企業23社 重要事象記載は62社と高止まり(2022.12.21)
- 2021事務年度法人税調査を公表 申告漏れ所得金額6028億円把握(2022.12.14)
「消費税」カテゴリの記事
- インボイス制度を見直す税制改正 納付税額を消費税額の2割に軽減(2023.01.18)
- インボイス登録、6月から急増 法人事業者は9月末で約96万件(2022.11.08)
- 7月の事業者間取引の消費税転嫁 9割超が消費税「全て転嫁できた」(2022.10.31)
- 21年度の滞納残高は2年連続増加 消費税の新規発生が17年連続最多(2022.09.09)
- e-Tax利用件数は順調に増加 申告では5.6%増加の約454万件(2022.09.01)
« 「所有」から「期間契約」の時代へ レンタカーサブスクリプション方式で変わるビジネス | トップページ | 「不動産の使用料等の支払調書」 年中の支払金額合計が15万円超 »
コメント