法制審、民法改正の試案を公表 配偶者への贈与住居は遺産分割の対象外に
法相の諮問機関である法制審議会はこのほど、民法(相続関係)部会で審議していた民法改正の要綱案のたたき台を示した中で、遺産分割に関する規定を見直すことを明らかにした。
それは、婚姻期間が20年以上である夫婦のどちらかが死亡した場合、配偶者に贈与された住居は遺産分割の対象にしないというものだ。
法務省は、年内にも要綱案を取りまとめ、民法改正案を来年の通常国会に提出する予定だが、税制の対応も注目される。
要綱案のたたき台には、遺産分割に関する見直し等の中で、配偶者保護のための方策(持戻し免除の意思表示の推定規定)として、
「婚姻期間が20年以上ある夫婦の一方が他の一方に対し、その居住の用に供する建物又は敷地(居住用不動産)の全部又は一部を遺贈又は贈与したときは、民法903条第3項の持戻しの免除の意思表示があったものとして推定するものとする」との案が盛り込まれている。
特別受益の持戻しとは、共同相続人中に、被相続人から遺贈や贈与による特別受益を得た者がいる場合、この特別受益財産を相続財産の価額に加えることをいう。
また、被相続人が持戻しを希望しない意思を表明している場合には、持戻しを行わないことになる。これを特別受益の持戻しの免除という。
つまり、持戻しの免除の意思表示があれば、配偶者に贈与した住居は遺産分割から除かれて、相続の対象とはならないことになる。
« ROEが高い企業はやはり狙い目! 「攻めのIT経営銘柄」で見えた投資ポイント | トップページ | 「動画広告は不快」な視聴者が約6割でも YouTuberタイアップ動画が好評な理由 »
「相続・贈与・住宅・小規模宅地」カテゴリの記事
- 暦年課税や精算課税など見直し 生前贈与加算を7年以内に延長(2023.02.01)
- 2021年分相続税の申告状況公表 課税割合15年以降最高の9.3%(2023.01.10)
- 税金徴収漏れ約1億6千万円指摘 46税務署にて徴収不足が72事項(2022.11.15)
- e-Tax利用件数は順調に増加 申告では5.6%増加の約454万件(2022.09.01)
- 電話相談センターの相談557万件 うち所得税が最多の281.8万件(2022.08.23)
「税制改正」カテゴリの記事
- 暦年課税や精算課税など見直し 生前贈与加算を7年以内に延長(2023.02.01)
- 金融庁、2023年度税制改正要望 NISAの抜本的拡充等が中心(2022.09.23)
- 帳簿の提出がない場合等の整備 過少申告加算税等の加重措置(2022.08.08)
- 住宅取得等資金の贈与の見直し 新非課税制度は適用期限2年延長(2022.07.15)
- 2022年度税制改正法が可決成立 賃上げに係る税制措置の拡充等(2022.04.15)
« ROEが高い企業はやはり狙い目! 「攻めのIT経営銘柄」で見えた投資ポイント | トップページ | 「動画広告は不快」な視聴者が約6割でも YouTuberタイアップ動画が好評な理由 »
コメント