営業赤字20億円が1年でV字回復! ソニーに切捨てられたVAIOの経営戦略
VAIOといえば、国産PCでまばゆいほどの存在感を示していたブランド。独自のデザインと機能で一世を風靡していた。
しかし、リーマン・ショックなどの影響で徐々に失速。2014年に不採算事業として投資ファンドへ売却されたニュースには、ショックを受けた人も多いだろう。
その後、パソコン専業メーカーとして設立された初年度は、20億円近い営業赤字を出す。しかし、わずか1年後の2016年7月に営業黒字を達成。いったい、どんなマジックでV字回復を果たしたのだろうか。
まず、ターゲットを完全に切り替えた。VAIOといえば個人用PCのイメージだが、BtoB向けに転換したのだ。さらに、EMS(電子機器の受託生産)もスタートさせたことで経営を安定させた。
これらの施策を可能にしたのは、社員の多くがもともとソニーの技術者だったからだ。
つまり、VAIOのブランドイメージよりも、確かなリソースを活かす戦略を選択したことが功を奏したのである。
もちろん、マーケットの状況もしっかりと把握。スマートフォンやタブレットの普及で個人向けマーケットは大幅にシュリンクしているが、法人向けマーケットは堅調に推移しているため狙い目だったのである。
全盛期に培ったVAIOのイメージがプラスに働いている面もあるが、高い技術力と、それを活かせるフィールドを自ら切り拓いたことが驚きのV字回復を実現させた要因であることは間違いない。
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