16年度査察、積極的に132件告発 脱税総額は193件から約161億円
いわゆるマルサと呼ばれる査察は、脱税でも特に大口・悪質なものが強制調査され検察当局に告発されて刑事罰の対象となる。
国税庁がこのほど公表した2016年度査察白書によると、査察で摘発した脱税事件は前年度より12件多い193件、脱税総額は前年度を16.4%上回る約161億円だった。
今年3月までの1年間(2016年度)に、全国の国税局が査察に着手した件数は178件と、前年度(189件)を11件下回った。
継続事案を含む193件(前年度181件)を処理(検察庁への告発の可否を最終的に判断)し、うち68.4%に当たる132件(前年度比17件増)を検察庁に告発した。この告発率68.4%は前年度を4.9ポイント上回った。
2016年度は、消費税の輸出免税制度を利用した大口の不正還付などの消費税事案(23件告発)や、国外取引を利用した不正を行って得た資金を国外で留保していた国際事案(21件告発)など、多数の事案を告発している。
近年、査察における大型事案は減少傾向にあり、2016年度の脱税総額161億600万円は、ピークの1988年度(714億円)の約23%にまで減少している。
1件当たり平均の脱税額は8300万円(前年度7600万円)で、ここ4年は1億円を下回っている。
告発分の脱税総額は前年度を14億8800万円上回る126億9200万円、1件当たり平均の脱税額は9600万円(同9700万円)となっている。
« ミレニアル世代が資産運用の中心に 団塊世代からの「富の移転」は史上最大級! | トップページ | 国税庁が税務行政の将来像を公表 AI活用した税務相談・調査など »
「税務調査 他」カテゴリの記事
- 2021事務年度法人税調査を公表 申告漏れ所得金額6028億円把握(2022.12.14)
- 帳簿の提出がない場合等の整備 過少申告加算税等の加重措置(2022.08.08)
- 審査の請求での救済割合が大幅増 再調査の請求・訴訟のそれは減少(2022.07.27)
- 21年度査察、摘発件数は103件 告発分脱税総額は最少の61億円(2022.07.22)
- 不適切な会計・経理の開示企業 開示社数は7年連続50件以上(2022.02.16)
「国税・法案・申告・e-tax」カテゴリの記事
- 暦年課税や精算課税など見直し 生前贈与加算を7年以内に延長(2023.02.01)
- 2021年分相続税の申告状況公表 課税割合15年以降最高の9.3%(2023.01.10)
- 地方交付税不交付団体を再算定 当初算定より6団体減の67団体(2022.12.26)
- 2021事務年度法人税調査を公表 申告漏れ所得金額6028億円把握(2022.12.14)
- 税金徴収漏れ約1億6千万円指摘 46税務署にて徴収不足が72事項(2022.11.15)
« ミレニアル世代が資産運用の中心に 団塊世代からの「富の移転」は史上最大級! | トップページ | 国税庁が税務行政の将来像を公表 AI活用した税務相談・調査など »
コメント