ラオックス、京都の観光タクシー会社を買収 低リスク高リターンのM&A戦略に注目
日本の人口が減少を続けている。4月に厚生労働省が発表した「将来推計人口」によれば、2053年に1億人を割ると予想されている。
一方で、訪日外国人客数は年々増加。昨年は初めて2,000万人を突破した。今年1~3月期は654万人と過去最高をマークしている。
そうした状況の中、改めて注目を集めているのがインバウンドビジネスだ。とりわけ、「爆買い」の象徴でもあったインバウンドの雄、ラオックスの動きが活発化している。
大型商業施設を取得するなど、免税店事業にとどまらない展開を試みている。さらに、5月31日には京都のタクシー会社「愛都交通」を子会社化すると発表した。
同社は08年からタクシー事業を行っている新興企業で、観光タクシー事業を展開している。
15年に京都市を訪れた外国人宿泊客数は対前年比73%増と、日本全体の平均値である46.4%を大きく上回っている。
つまり、外国人向けの観光タクシー事業は今後も大きく伸びていくことが期待できるというわけだ。
「愛都交通」の株式取得額は非公表だが、資本金900万円、車両台数33台と小規模なため多額であるとは考えにくい。
低リスクで迅速に観光タクシー事業へ参入できると考えれば、多角的にインバウンドビジネスを展開したいラオックスにとってはメリットしかない。
少ない投資で異分野へ着実な橋頭堡を築く――。抜け目ない経営戦略が光るM&Aと言えそうだ。
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