「HOME’S」がブランド名を変更 社名を使ったマスターブランド戦略とは?
日本最大級の不動産・住宅ポータルサイト「HOME’S」が、4月にブランド名を「LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)」に変更した。高い認知度を獲得しているサイトだけに、変更の理由が気になるが、そこには中長期的な戦略がある。
意外と知られていないが、「HOME’S」の運営会社は株式会社ネクストという名前だった。この「意外と知られていない」ことが、企業のブランディングとして不十分であった。しかも同社は、不動産ポータルサイト以外にも介護や引っ越しなど多数の関連会社を持つが、知名度は高くなかった。
こうした点に危機感を抱いた同社は、社名を株式会社LIFULLに変更し、自社の大部分のサービスに企業名を冠したのである。これは、自社名を全面に押し出す「マスターブランド戦略」の典型例だ。
これにより、今後、下位ブランドである各サービスが独自展開を図るときも、同社のサービスだという信頼感を与えられることは間違いない。
もちろん、同社が多大なコストをかけて社名変更したのは、それだけが理由ではない。埋没しやすい「ネクスト」や「ホームズ」ではなく、LIFEとFULLの造語であるオリジナルのワードにしたのは、今後のグローバル展開を視野に入れてのことだ。
事業への思いを込めた言葉を社名とし、それを前面に押し出してブランド・マーケティングする。体力がない中小企業こそが展開するべき手法なだけに、学ぶべき点が多い事例である。
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