地銀のアライアンスに見える 低リスクで効果的な地域密着型の経営戦略
ビジネスが行き詰まったとき、他社との統合や連携を模索するのは自然の流れだ。しかし、経営統合やM&Aは時間も資金も必要なうえ、相応のリスクも覚悟しなければならない。
そのため多くの場合、業務提携や資本提携といったアライアンスの手法が選択される。しかし、アライアンスは「緩やかな協力体制」と言われるように、シナジー効果は決して高くない。
今年4月に新会社「千葉・武蔵野アライアンス株式会社」を設立した千葉銀行と武蔵野銀行の包括連携も、その効果が疑問視されている。
実際、新会社の資本金はわずか1,000万円。昨年3月に提携発表してからの収益はいずれも減益だ。
関東地銀の中で数少ない独立行である両行が、地銀の再編ラッシュを逃れるために画策した施策だと見えなくもない。
しかし、両行の営業エリアを見ると違った狙いも透けて見える。
千葉・埼玉両県の人口は合計すると1,300万人以上。東京都に匹敵する規模である。
また、今年2月末に圏央道が全線開通したことで、千葉・埼玉だけでなく茨城・栃木・群馬を含めた巨大市場が生まれる可能性もある。
超高齢化社会に突入していく中で、今後は「地域密着経営」が重要になる。そのための地盤固め―。
両行がそこまで考慮しているかはともかく、アライアンスを検討する際に重要な視点を与えてくれたトピックスである。
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