業界初のハラール認証取得「ナガイのり」 海外へ新たな販路を開拓する糸口を掴む!
経営戦略を練るとき、リソースの見直しを行うのは常道。ヒト・モノ・カネをひとつひとつ洗い出し、自社の強みがを検証していくのは地道な作業だが、そうやって常識にとらわれない発想が生まれた例は無数にある。その好例が、愛知県豊橋市に本社を持つ創業70年の海苔メーカー、株式会社ナガイのり。
海苔には、刻み海苔やもみ海苔など用途に合わせてカットしたものや味付け海苔、ふりかけなどがあるが、商品バリエーションは多くない。しかし、商品の強みを徹底的に見直した同社は、意外な活路を見出す。
同社の「焼のり」の全製品が、業界で初めてハラール認証を取得。世界一厳格と言われるイスラム教徒が食べることのできるハラールフードとなった。
現時点でもイスラム教徒は約16億人と宗教別人口では世界で2番目に多く、世界人口の約4分の1を占める。しかも、イスラム地域の出生率は高く、2100年には世界最大勢力になると言われており、マーケット拡大は確実だ。
また、政府は東京オリンピック・パラリンピックに向け、訪日外国人数を現在の2倍の4,000万人にまで増やす方針を打ち出しており、宿泊施設や飲食店でもハラール対応が進むだろう。ハラール認証を受けた食材が重宝されることは間違いない。
新たに商品を開発することなく、発想を変えるだけで付加価値を増すことに成功したナガイのり。強みを見直す経営戦略として、参考にするべきポイントは多い。