サイボウズが「複業採用」を開始 キャリアを求める人材の受け皿に
企業に勤務するビジネスパーソンが副業をする。数年前までありえなかった考えだ。
実際、中小企業庁が行った2014年度の調査では、副業を容認する企業はわずか3.8%だった。
しかし、昨年10月に安倍晋三首相は働き方改革実現に向けた有識者会議で、「テレワークや兼業・副業の普及を図ることが重要」と発言。
厚生労働省が公表している「モデル就業規則」に記載されている副業・兼業禁止規定を3月末までに削除する方向だ。
そうした動きに先鞭をつけるような採用方法を打ち出したのが、ソフトウェア開発大手のサイボウズ。1月17日から「複業採用」を開始した。
サイボウズは「100人いれば、100通りの働き方」を掲げており、すでに2012年から社員の副業を推奨。50代の執行役員も副業を持っている。
補助的な意味合いを持つ「副」ではなく、パラレルキャリアを促す意味を込めて「複業」と銘打っていることも、柔軟な働き方を推奨する姿勢が伝わってくる。
また、クラウド上で仕事を管理しているため、テレワークが可能な環境が整っており、副業しやすい企業であることは間違いない。
人材確保の手段としても、「複業採用」は効率的。高いスキルを持つ人材を低コストで確保できるからだ。
今年3月卒業予定の大卒内定率が過去最高を記録するなど、就職売り手市場が続く状況を考えれば、複業希望者を迎える受け皿を用意するのは、戦略として検討に値すると言えよう。
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