家具販売から働き方変革のコンサル企業へ 大幅な利益増を実現した内田洋行
一度設定した製品・サービスの単価を上げるのは難しい。
しかし、付加価値を提供することに成功すれば、新たな価格が提示できるため、利益増につながる。
その好例が、オフィス家具の製造・販売で知られる老舗、内田洋行だ。
同社が着目したのは、取引先企業がオフィス空間に求める真のニーズ。
「仕事がしやすい」だけでなく、「創造性を発揮し効率的に仕事ができる」空間を潜在的に求めていると察知し、「働き方」改革のコンサルティングサービス「Change Working」の導入を決意した。
秀逸なのは、サービスインまでのプロセス。100年企業である同社の看板を押し出すことで取引実績を増やすのではなく、自社でプロジェクトを実施し、結果を公表してサービスの価値を高める道を選んだのだ。
その結果、会議時間の11%短縮や顧客対面時間の1.5倍増、年間1,830万円分のスペースコストの圧縮など数々の成果を挙げることに成功。
「第2回日本HRチャレンジ大賞」で奨励賞を受賞したほか、2013年は12億2900万円だった経常利益も2015年には38億6100万円と大きく伸ばしている。
コミュニケーション活性化や生産性向上はどの企業にとっても大きな課題。
机上の空論ではなく、自社の成果をもとにした同社の提案が説得力を持つことは間違いない。
取引先はもちろん、自社や社会情勢にも利益をもたらす、まさに「三方よし」を実践した手法だと言える。
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