上場廃止寸前から9期ぶりの黒字復活 有料化戦略で成功したメガネスーパー
過去、8期連続の赤字を計上し、3期連続で債務超過にも陥ったメガネスーパー。昨年7月には、上場廃止にかかわる猶予期間入り銘柄に指定された。製造小売方式(SPA)を採用する低価格チェーンとの競争に敗れたことが原因だった。
そこで同社は、リソースを見直しつつ企業コンセプトを立て直した。「眼鏡学校」を自前で持つなど、スキルの高い人材が揃っていたため、「眼鏡のプロ集団」として「アイケアサービス」を前面に押し出す戦略を打ち出したのである。
注目は、メガネ店では無料だった検査を有料化したことだ。「トータルアイ検査」として、通常15分程度のところを40~60分かけて多項目をチェック。あえて有料化することで、検査を「目を大切にするため」に必要なプロセスだと位置づけ、眼鏡を視力矯正だけでなく健康サポートのツールだと訴求したのである。
このコンセプトが、中高年世代にマッチし、客単価は2012年の約2万円から3万5000円まで上昇。2016年4月期決算では9期ぶりの黒字化を果たし、猶予期間入り銘柄からも解除されている。
SPAは小売業にとって大きなメリットのある手法だが、ブランドに合致した製品を安定供給するには一定の時間が必要だ。それよりも、自社の強みを洗い直して、それをいかに発揮できるかを検討するほうが、迅速に、しかも骨太な戦略を構築できるということを、メガネスーパーの事例は示唆しているといえよう。
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