サイドメニュー戦略で業界2位の「くら寿司」 あえて「牛丼」で狙う潜在的マーケットとは?
現在、回転寿司業界で注目を集めているのが、5年で309億円の売上増を達成し業界2位に躍り出たくら寿司だ。成長の秘密はサイドメニューにある。
「シャリカレー」や米麹入りの「シャリコーラ」といった一見奇抜なものから、「すしやのうな丼」などの正統派、スイーツまで40種以上が揃う。客単価アップに貢献しているのはもちろん、ファミレスより安価な設定も絶妙で、平日昼間に学生や主婦を集客することに成功している。
そんなくら寿司で11月4日に登場した新メニューは、なんと「牛丼」(370円)。大手3社で合計4000店舗以上もある超激戦区で、価格も同3社の並盛りは350~380円とさほどお得感もない。なぜあえて牛丼を選んだのかを追求していくと、くら寿司の緻密なマーケティングに気付く。
実は、牛丼チェーンには決定的に弱い客層がある。それが、ファミリーだ。女性の取り込みには成功しつつあるが、ファミリーがゆっくり食事できる雰囲気は、残念ながらまだない。その点、回転寿司はそもそもファミリー層との親和性が高い。
「牛丼を食べたかったけれども、店に入りづらかった」客層を取り込める可能性は十分にある。別業界の欠点に目をつけ、自社の既存の客層へ貪欲に訴求するための新商品開発に生かしているくら寿司のマーケティング。別業種・業界でもぜひ参考にしたい事例のひとつではないだろうか。
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