日産の“お遊び”企画に込められた 緻密なマーケティング戦略とは?
日産自動車は、行列を自動で進むイス「プロパイロットチェア」を製作し、9月26日に動画を公開した。動画では、飲食店の順番待ちをしている客が、座ったまま列の先頭まで自動的に運ばれる様子がまとめられている。
同チェアは、自動運転技術「プロパイロット」をPRするために製作された。この前例のない機能を周知させるため、あえて車ではなく別のシーンを選び、実際にプロダクトまで製作したというのだ。
しかし、なぜ別のプロダクトを製作して新技術をPRするのか。背景にあるのは、新車販売台数の急激な落ち込みだろう。2015年度の国内新車販売台数は、東日本大震災が起きた2011年度以来4年ぶりに500万台割れとなっている。
これが単純な「車離れ」によるものではないことは、カーシェアリング市場の動きを見ると明らかだ。レンタカーよりも手軽なカーシェアリングは、この5年間で全体の会員数が50万人以上増加しているのである。
「新車を買う気はないが、格安・手軽に車を利用したい」層が増えており、同社のPRはそうした層へのアプローチにほかならない。遊び心を忘れず、それでいて本気度の高さをアピールしているのも、ソーシャルメディアとの親和性を高めている。
もちろん、ソーシャルメディアを利用する層と、車を“潜在的に利用したい層”が合致しているがゆえの施策であり、他業種・業界でのマーケティングでも参考になる好例と言えよう。
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