4人に1人、社外取締役7270人 複数選任求める「企業統治指針」
2015年8月は、当時の日本経済新聞の見出しを借りると「東芝、社外取締役を4人から7人に」といった新たな「企業統治指針」(コーポレートガバナンス・コード)がスタートして3ヶ月が過ぎた時期で、いわば「企業統治元年」ともいえるエポックだった。
同年6月に導入された企業統治指針は「経営の監督役」として独立性の高い社外取締役の「複数選任」を求めている。持ち合い株の保有や買収防衛策を続けるには「合理的な理由」が必須となった。
10年以上も粉飾決算を続けてきたオリンパスには3名の社外取締役がいたが飾りに過ぎなかった。東芝不正会計問題では三菱ケミカル、アサヒビール、資生堂などの現職・元経営者ら7人が問題後に社外取締役に加わっている。
新たな「指針」から1年数ヶ月が経過した今年8月現在、東証のデータによると上場企業の社外取締役は7270人を超え、取締役のうち4人に1人が「社外」で選任されていることになる。社外取締役を2人以上選任する企業は7割に達し、いうまでもなく独立性の高い彼らの役割は「株主目線」で経営の監視をする役目を負うことである。
しかし、社外取締役の選任ルールでは同業者の選任は禁止。地縁や血縁、学閥(後輩や友人)となると馴れ合いは避けられない。注目されるのは大学教授や元高級官僚、弁護士だ。確かに監督官庁好みではあるが経営のプロではなく、人材不足・適性を危ぶむ声はなくならないのが現状である。
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