土地付建物の取得での建物取壊し費用 やむを得ない理由では取壊し時の損金
土地等の非減価償却資産の取得価額については、法人税法上の規定はないが、原則として通常の減価償却資産の取得価額と同様の取扱いによって判断される。土地の購入であれば、購入費用と、その土地を事業の用に供するために直接要した費用の合計額が取得価額となる。
しかし、問題となるのは、建物付きの土地を購入し、その土地に工場などの新たな建物を立て直す場合である。
法人税法基本通達7-3-6では、土地とともに取得した建物等をおおむね1年以内に取り壊す場合において、それらの取壊し費用等は、その土地の取得価額に含めなければならない、と規定している。この規定は、当初からその建物等を取り壊して土地を利用する目的で建物等も取得したことが明らかである場合に適用される。
ただし、火災などの不測の事態が生じ、その結果取り壊すことになった場合はこの適用はないとされている。
つまり、土地付建物を取得して1年以内に建物等を取り壊した場合には、どんな場合でも必ずそれらの費用を土地の取得価額に算入しなければならないわけではない。
初めは建物を事業用の目的で取得し、その後やむを得ない理由が生じてその使用を諦めざるを得ないときは、たとえ取得後1年以内にその建物を取り壊したとしても、建物の帳簿価額と取壊し費用の合計は、土地の取得価額に含めずに、取り壊したときの損金とすることができる。
« 2年前納国民年金保険料の取扱い 全額控除と各年控除を選択できる | トップページ | 経団連 同一労働同一賃金の実現で提言 役割・貢献度の発揮期待など総合勘案 »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 新規学卒就職者の3年以内離職率 大学卒が32%、高校卒が37%に(2023.11.16)
- 事業承継、後継者が決定は26% 高齢の経営者でも後継未定も…(2023.11.08)
- 「タワマン節税」抑止の通達公表 新算定ルールは来年1月から適用(2023.11.03)
- 社長が住む街トップは「港区赤坂」 東京都港区の6.6人に1人が社長(2023.10.31)
- 新入社員の理想の上司・先輩は「丁寧に指導する人」が約8割(2023.10.11)
「相続・贈与・住宅・小規模宅地」カテゴリの記事
- 事業承継、後継者が決定は26% 高齢の経営者でも後継未定も…(2023.11.08)
- 「タワマン節税」抑止の通達公表 新算定ルールは来年1月から適用(2023.11.03)
- 社長が住む街トップは「港区赤坂」 東京都港区の6.6人に1人が社長(2023.10.31)
- AIが自動回答、チャットボット 10月から年末調整の相談を開始(2023.10.25)
- 2023年基準地価、2年連続上昇 地方圏の住宅地31年ぶりに上昇(2023.10.06)
「企業」カテゴリの記事
- 法人税申告オンライン利用率9割 キャッシュレス納付割合が35.9%(2023.11.20)
- 新規学卒就職者の3年以内離職率 大学卒が32%、高校卒が37%に(2023.11.16)
- インボイス、65.1%が順調に対応 ただ「懸念事項あり」企業も9割(2023.11.13)
- 事業承継、後継者が決定は26% 高齢の経営者でも後継未定も…(2023.11.08)
- AIが自動回答、チャットボット 10月から年末調整の相談を開始(2023.10.25)
「法律」カテゴリの記事
- タワマン節税抑止の通達案公表 従来の評価額に評価乖離率で補正(2023.09.01)
- 税制改正法案は衆院から参院へ 可決後、7項目の附帯決議付す(2023.03.22)
- 2022年税関の輸入差止件数公表 3年連続2万6千件超の高水準(2023.03.14)
- 国外財産調書、約1.2万人が提出 前年比6.9%増で8年連続の増加(2023.02.20)
- 時間外労働の割増賃金率を引上げ 来年4月から月60時間超は50%(2022.11.02)
「中小企業」カテゴリの記事
- 法人税申告オンライン利用率9割 キャッシュレス納付割合が35.9%(2023.11.20)
- 新規学卒就職者の3年以内離職率 大学卒が32%、高校卒が37%に(2023.11.16)
- インボイス、65.1%が順調に対応 ただ「懸念事項あり」企業も9割(2023.11.13)
- 事業承継、後継者が決定は26% 高齢の経営者でも後継未定も…(2023.11.08)
- iDeCoの加入者が300万人を突破! 来年は拠出限度額の引上げも予定(2023.09.25)
「法人税」カテゴリの記事
- AIが自動回答、チャットボット 10月から年末調整の相談を開始(2023.10.25)
- 23年大企業の夏季賞与1.59%増 2年連続での80万円台の水準に(2023.09.15)
- 再調査の請求・審査請求・訴訟 納税者救済・勝訴割合は減少(2023.07.25)
- 22年度査察、着手件数は145件 告発件数103件で告発率74.1%(2023.07.14)
- 納付書の事前送付を一部取りやめ 2024年5月以降に送付する分から(2023.06.23)
「所得税」カテゴリの記事
- 法人税申告オンライン利用率9割 キャッシュレス納付割合が35.9%(2023.11.20)
- AIが自動回答、チャットボット 10月から年末調整の相談を開始(2023.10.25)
- iDeCoの加入者が300万人を突破! 来年は拠出限度額の引上げも予定(2023.09.25)
- マイナカードとe-Tax用いて 確定申告がさらに便利になる!(2023.09.20)
- タワマン節税抑止の通達案公表 従来の評価額に評価乖離率で補正(2023.09.01)
「景気・世論・日本人」カテゴリの記事
- 新規学卒就職者の3年以内離職率 大学卒が32%、高校卒が37%に(2023.11.16)
- 事業承継、後継者が決定は26% 高齢の経営者でも後継未定も…(2023.11.08)
- 「タワマン節税」抑止の通達公表 新算定ルールは来年1月から適用(2023.11.03)
- 社長が住む街トップは「港区赤坂」 東京都港区の6.6人に1人が社長(2023.10.31)
- 新入社員の理想の上司・先輩は「丁寧に指導する人」が約8割(2023.10.11)
「確定申告」カテゴリの記事
- 法人税申告オンライン利用率9割 キャッシュレス納付割合が35.9%(2023.11.20)
- AIが自動回答、チャットボット 10月から年末調整の相談を開始(2023.10.25)
- iDeCoの加入者が300万人を突破! 来年は拠出限度額の引上げも予定(2023.09.25)
- マイナカードとe-Tax用いて 確定申告がさらに便利になる!(2023.09.20)
- タワマン節税抑止の通達案公表 従来の評価額に評価乖離率で補正(2023.09.01)
「住宅」カテゴリの記事
- 「タワマン節税」抑止の通達公表 新算定ルールは来年1月から適用(2023.11.03)
- 社長が住む街トップは「港区赤坂」 東京都港区の6.6人に1人が社長(2023.10.31)
- 2023年基準地価、2年連続上昇 地方圏の住宅地31年ぶりに上昇(2023.10.06)
- タワマン節税抑止の通達案公表 従来の評価額に評価乖離率で補正(2023.09.01)
- 空き家税の導入を目指す京都市 事業用の非居住住宅等は課税免除(2023.08.24)
« 2年前納国民年金保険料の取扱い 全額控除と各年控除を選択できる | トップページ | 経団連 同一労働同一賃金の実現で提言 役割・貢献度の発揮期待など総合勘案 »
コメント