金利低下で確定拠出年金の販売強化 銀行など 来年に専業主婦も加入可
生命保険会社や銀行などの間で税制上の優遇措置がある「確定拠出年金」の販売を強化する動きが広がり始めている。日銀の、異例ともいえるマイナス金利政策の影響で金利全般が低下し、良くも悪くも様々な影響が拡散。
良い例は資産の運用先に悩む人たちの需要を見込んでの、確定拠出年金法の改正だ。毎月の掛け金に運用益を加えた額を公的年金に上乗せして支給される私的年金だが、来年1月からは専業主婦や公務員なども加入できるようになるからだ。
確定拠出年金には会社単位で入る「企業型」と個人で入る「個人型」がある。対象が広がるのは個人型。これまでは自営業者や企業年金がない会社の社員らだったが、主婦や公務員が加用して使えるようになる。
厚生労働省によると確定拠出年金の加入者は現在約500万人。これが現在の2倍に膨らむとみている厚労省の根拠にあげるのは大きな節税効果。確定拠出年金で非課税なのは運用益と掛け金の全額が課税対象の所得から差し引かれるのでその分、所得税や住民税が安くなる。
たとえばパートの収入などで年100万円の課税所得を稼ぐ主婦が月1万円ずつ積み立てると単純計算で年1万8千円分の所得税と住民税を節約できる。年金の受取時にも退職所得控除か公的年金等控除の対象になる。損失が出るリスクもあるが、大手生命保険会社は6月から確定拠出年金の普及を図る取り組みを始めた。
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