IoT中心の「ものづくり白書」策定 新・市場創出や需要喚起が見えない
政府は2016年版「ものづくり白書」で、あらゆるモノがインターネットにつながる「IoT」(アイ・オー・ティー)の普及が進む中、分野別では生産部門でIoTの活用が進んできていて、保守部門などで導入が遅れていると分析した。
事故や製品の故障を予防するために積極的に取り入れるべきだと強調し、特に小規模企業の対応が遅れていると指摘した。
経営改善への利点を強調しビジネスモデルの変革を促した。
そのためには企業は人材確保や協業の推進などを進めていく必要があると提言している。
安倍政権は産業競争力会議で名目国内総生産(GDP)600兆円実現に向けた新成長戦略を描く。ロボットや人工知能(AI)、IoTなどで創出する新市場を30兆円規模に育て、第4次産業革命を推進する。
しかし産業界では新・市場の実像がかすんでみえないとの声が多い。
これが投資と消費の意欲阻喪、躊躇を生んでいる。
外国には生活に直結した例もある。しかし日本では日本電産とIBMが組んだ例で大規模工場が注目される。
ビッグデータ解析技術新鋭プレス機で「早期異常検知による稼働率向上」の技術開発を始めた。
故障を事前に把握する予知診断と、故障時に的確な対策を打つ要因分析の効率化だという。
同社は2030年度売上高10兆円の大型事業を目指す。政府は「小規模企業に遅れ」というが、中小企業にはビジネスモデル変革は容易ではない。
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