査察の脱税総額は41年ぶりの低水準 前年度を7.5%下回る約138億円
国税庁が公表した2015年度査察の概要によると、査察で摘発した脱税事件は前年度より1件多い181件、脱税総額は前年度を7.5%下回る約138億円と、1974年度(約123億円)以来41年ぶりの低水準となった。
これは、脱税額3億円以上の大口事案が5件と3年連続一ケタ台だったことなどが要因。
今年3月までの1年間(2015年度)に、全国の国税局が査察に着手した件数は189件と、前年度(194件)をさらに5件下回った。
継続事案を含む181件(前年度180件)を処理(検察庁への告発の可否を最終的に判断)し、うち63.5%(同62.2%)に当たる115件(同112件)を検察庁に告発した。
この告発率62.2%は、前年度から1.3ポイント増加し、3年ぶりに前年度を上回った。
告発事件のうち、脱税額が3億円以上のものは前年度より1件少ない5件にとどまった。
近年、脱税額3億円以上の大型事案が減少傾向にあり、2015年度の脱税総額138億円は、ピークの1988年度(714億円)の約19%にまで減少。
告発分の脱税総額は前年度を約11億円下回る約112億円、1件当たり平均の脱税額は9700万円(前年度1億1000万円)と、35年ぶりに1億円を下回った2013前年度(9900万円)をさらに200万円下回った。
告発件数の多かった業種・取引(5件以上)は、「建設業」が15件でトップ、次いで「不動産業」が12件、「クラブ・バー」が7件、「機械器具卸」が6件で続いた。
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