税務調査は「事前通知」が原則だが 「例外」もあるので十分注意が必要
所得税の確定申告が終了し、税務調査シーズンがまた真っ盛りとなるが、事前通知が行われるようになったことで、調査の受け手にとってはずいぶん負担が減少したようだ。
かつては任意で行われていた事前通知だが、国税通則法改正によって2013年1月以後の税務調査からは義務化された。これにより、ある日突然税務調査に入られて大慌てするといったことは少なくなっている。
しかし、事前通知はあくまで原則であり、「例外」もあるので十分な注意が必要となる。国税通則法74条の10では、事前通知することで、(1)違法又は不当な行為を容易にし、正確な課税標準等又は税額等の把握を困難にするおそれ、又は(2)その他、調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると判断された場合には、事前通知を行わずに無予告で調査することを認めている。
判断材料となるのは、税務申告内容や過去の調査結果など税務署が保有する情報だ。
法人税調査を長年手がけてきた元税務署長は、「例えば、過去の調査で申告漏れが指摘されたことのある会社などは無予告調査の対象になる可能性が大きい」と話す。
合理的な理由なく調査を拒否した場合には「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」という罰則もあるため、日頃から“不測の事態”への備えは万全にしておきたい。
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