生徒の教育旅行に「災害学」履修を 3・11を「地震津波サミット」の日に
熊本県を中心とした大地震は九州を二分しかねない大震災となった。激甚災害指定で救済は急を告げるが、生活・産業への影響は計り知れない。
東日本大震災被災地では今、懸命に復興作業が行われている。5年間の復興作業は、岸壁工事など大半は元に戻す復旧だった。しかし、人口減や人口高齢化、農水産業の一次産業衰退といった負の課題は大震災でさらに加速した。
東北の東海岸は、歴史や地形的に自然遺産も豊富で国立公園もあって風光明媚が売りだった。しかしこの魅力の賞味期限は切れかかっている。特に岩手・宮城両県の海岸地帯の被災12市町に「人とお金をどうやって集めるか」は大きな問題だ。
東北各地で旅行客に被災体験と教訓を伝える「復興ツーリズム」が目立つ。
自治体が率先して観光や鉄道事業、スポーツイベントなどを開催、これらと「自然災害学」(防災)を組み合わせ、学校の教育カリキュラムに取り入れている。継続的な教育旅行+体験学習(フィールドワーク、キャンプ)を加えることで、年間の
動員計画が組める。
津波遺構は東北へ―と、東北自身で人を呼ぼうとするコンテンツの拡充が不可欠だ。安倍晋三首相は「今年を東北観光復興元年にする」と語るのは復興の遅れがあるからだ。
地震国での「津波サミット」の実現可能性はあるが、熊本大分地震で、計画は東北から西へと反転しそうだ…。