役員に支給する渡切交際費の取扱い 臨時に支給するものは「役員賞与」
渡切交際費とは、役員や従業員に対して交際費など会社の業務のために使う目的で金銭を支出したにもかかわらず、その使途や使用金額について精算を要しないものをいう。
このような支出は名目上交際費として会社が支給をしたとしても、領収書等の証拠資料をもって精算がされないような交際費は、支給を受けた人間が自由に処分できるので、給与の性質を有するものと考えられ、交際費には該当しないこととされて
いる。
したがって、渡切り交際費が毎月定額で役員に支給されるような場合は、定期同額給与となるので、通常の役員給与に合算した上で過大役員給与かどうか判断され、過大であると認められる部分の金額は損金に算入されないことになる。
また、役員に対し臨時的に支給するもの、毎月不定額で支給するものは「役員賞与」として、損金の額には算入されないので注意が必要だ。
例えば、会社によっては、接待の機会が多くなる年末や年始だけに渡切交際費を支給するというようなことも考えられるが、それが役員に対して支給されるものであれば、その金額は支給した役員に対する臨時的な給与として扱われ、この場合に
は、その内容を事前に税務署長に届出(事前確定届出給与)していない限り、損金の額に算入することはできない。
また消費税法上も、このような渡切交際費は仕入税額控除の対象外となる。

« 通勤手当の非課税限度額を引上げ 今年1月から10万円を15万円に | トップページ | 入社3ヵ月、3年離職を防ぐ策は? 新人はウエットな人間関係求める »
「寄付金」カテゴリの記事
- ふるさと納税の寄附件数過去最高 寄附額1.1兆円と初の1兆円超え(2024.09.17)
- 2021年度の企業版ふるさと納税 寄附件数2.2倍・金額2.1倍に増(2022.09.16)
- ふるさと納税の寄附が過去最高に 約3489万件、金額は約6725億円(2021.08.17)
- ふるさと納税寄附額は7年ぶり減過度な返礼品競争に一定の歯止め(2020.08.27)
- 従業員等に対する見舞金の取扱い 非課税所得に該当する範囲を明示(2020.06.10)
「企業」カテゴリの記事
- 金融庁 2025年度の行政方針を公表 企業価値担保権の活用を支援(2025.10.20)
- 最低賃金が過去最大の引上げ 政府は中小企業支援を拡充(2025.10.01)
- 財務総研が最新の分析結果を公表 高所得層のシェア変動が明らかに(2025.09.23)
- デジタル時代の遺言制度に向けて 法制審議会が中間試案を公表(2025.09.19)
- 下請法改正、令和8年1月施行へ 価格転嫁と公正取引の実現を目指す(2025.09.05)
「中小企業」カテゴリの記事
- 金融庁 2025年度の行政方針を公表 企業価値担保権の活用を支援(2025.10.20)
- 最低賃金が過去最大の引上げ 政府は中小企業支援を拡充(2025.10.01)
- 財務総研が最新の分析結果を公表 高所得層のシェア変動が明らかに(2025.09.23)
- 下請法改正、令和8年1月施行へ 価格転嫁と公正取引の実現を目指す(2025.09.05)
- 経産省 中小M&A市場改革プラン検討 トラブル防止に向けた対策の方向性示す(2025.08.27)
「消費税」カテゴリの記事
- 中小企業に対する法人税の軽減 制度の大幅な見直しに現実味(2024.12.24)
- 国税庁 消費税還付申告への対応を公表 税務調査への協力などを呼びかけ(2024.12.13)
- 政府内で進む「法人税改革」の議論 令和7年度改正が大きな転換点に?(2024.11.15)
- 国税庁が勧める「優良な電子帳簿」 過少申告加算税が5%に軽減される(2024.10.31)
- 免税事業者のインボイス登録状況は BtoB中心事業者の73.3%が登録(2024.10.11)
「法人税」カテゴリの記事
- 企業数・営業収入・法人税が過去最高 国税庁 令和5年度会社標本調査(2025.05.22)
- 令和7年度税制改正法案が国会提出 所得税の基礎控除引き上げなどが目玉(2025.02.28)
- 法人税率の中小特例が見直し 年間所得10億円超は「税率17%」に(2025.01.27)
- 中小企業に対する法人税の軽減 制度の大幅な見直しに現実味(2024.12.24)
- 国税庁 消費税還付申告への対応を公表 税務調査への協力などを呼びかけ(2024.12.13)
« 通勤手当の非課税限度額を引上げ 今年1月から10万円を15万円に | トップページ | 入社3ヵ月、3年離職を防ぐ策は? 新人はウエットな人間関係求める »


コメント