厚労相 「非正規の正社員転換」を要請 経団連、経済同友会へ待遇改善
地味といわれる第三次安倍改造内閣の顔ぶれの中で留任した塩崎厚労相の積極的な活動が目立つ。これまで前任者の敷いた路線を踏襲する形で「役不足」感が否めなかったからだ。
このほど経団連を訪れた塩崎厚労相は榊原会長に面会、非正規社員の正社員転換や賃金や福利厚生を手厚くする待遇改善を要請した。勤務地限定、職務限定、勤務時間限定などの「多様な正社員」への転換を推し進めていくことも強調した。同日、経済同友会の小林代表幹事にも待遇改善の周知や啓発の協力を要請した。
この非正規社員の正社員転換は政府が6月30日に決めた2015日本再興戦略の核でもある。安倍政権の「一億総活躍社会」の実現に向けて、非正規社員の正規化は労働意欲や能力を高め労働生産性を高める上でも重要な課題だ。
これに対して榊原会長は「雇用情勢が回復しつつあるこの機会に、企業の実情に応じて協力したい」と応じ、小林代表幹事は「各企業に呼びかけていきたい」と同意した。塩崎厚労相は「キャリアアップ助成金などで企業の取り組みを後押ししていきたい」と強調した。
現在、政府はハローワークによる正社員就職の実現、職業訓練等に取り組む事業主に対する支援などの重点施策を実施中だ。安倍内閣は「動くセールスマン」と揶揄される。大臣も経済界の重鎮に直訴するなど汗を流すのが“安倍流”だ。
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