政府・与党に「遺言控除」新設案が浮上 遺産相続をめぐるトラブル防止等が狙い
政府・与党が、遺言に基づいた相続について相続税を軽減する方向で検討を進めている。
自民党の「家族の絆を守る特命委員会」は、有効な遺言に基づいて相続が行われた場合に、従来からある基礎控除に上乗せする形で一定額を控除する「遺言控除」を新設する方針を固めた。
気になる控除額は「数百万円」の規模で検討される見込み。遺言による遺産分割を促し、遺産相続をめぐるトラブルを防止、若い世代へのスムーズな資産移転を図る狙いがある。
相続税は、遺産総額から基礎控除を差し引き、残額に税率を掛けて計算する仕組み。基礎控除額は、昨年末まで「5千万円+法定相続人数×1千万円」だったが、今年1月から「3千万円+法定相続人数×6000万円」に引き下げられている。
この基礎控除の大幅な引下げにより、これまで相続税とは無縁だった中間層も取り込まれることになった。
法定相続人が1人のケースでは、遺産総額が3600万円を超えると相続税の課税対象となる。
昨年末までは「6千万円超」だったため、相続税がグッと身近になった感がある。
新たに相続税の対象となった層は、相続対策に対する十分な備えがないケースが多く、遺産分割などをめぐるトラブル増加も懸念されることから、新控除の創設で遺言促進による円滑な資産移転を促したい考えだ。
自民党は、党税制調査会に提言して早ければ2017年度税制改正での導入を目指す考えだ。
« 「ネット副業」でトラブル増加 国民生活センターが注意呼びかけ | トップページ | 個人が法人に資産を無償譲渡した場合 贈与側はみなし譲渡所得課税に注意! »
「相続・贈与・住宅・小規模宅地」カテゴリの記事
- 暦年課税や精算課税など見直し 生前贈与加算を7年以内に延長(2023.02.01)
- 2021年分相続税の申告状況公表 課税割合15年以降最高の9.3%(2023.01.10)
- 税金徴収漏れ約1億6千万円指摘 46税務署にて徴収不足が72事項(2022.11.15)
- e-Tax利用件数は順調に増加 申告では5.6%増加の約454万件(2022.09.01)
- 電話相談センターの相談557万件 うち所得税が最多の281.8万件(2022.08.23)
「生き方 社会」カテゴリの記事
- パート起業家の4割以上が女性 自己資金の割合「100%」が7割(2023.01.27)
- 春まで続く食品値上げのラッシュ 今月580品目、来月4000品目超(2023.01.23)
- 2021年分相続税の申告状況公表 課税割合15年以降最高の9.3%(2023.01.10)
- 2021年日本の労働生産性は27位 時間当たり労働生産性は5006円(2023.01.04)
- 9月中間決算GC注記企業23社 重要事象記載は62社と高止まり(2022.12.21)
« 「ネット副業」でトラブル増加 国民生活センターが注意呼びかけ | トップページ | 個人が法人に資産を無償譲渡した場合 贈与側はみなし譲渡所得課税に注意! »
コメント