マクロ経済スライド、初の発動か? ~年金減額調整、物価上昇に連動せず~
昨年11月末、朝日新聞が「公的年金の支給額の伸びを物価上昇よりも低く抑える仕組み(マクロ経済スライド)が、来年度に初めて実施されることが確実な情勢となった。2014年の通年での物価上昇が決定的となったためだ。
これにより年金の支給水準は来年度、物価に比べて実質的に目減りすることになる」と報じたが、2015年を迎え現実味を帯びてきた。
マクロ経済スライドは2004年、小泉政権で決まったが一度も発動されていない。今後は物価変動と同じ割合では年金額を上げないというこの仕組みは、最近の年金再検証によれば2043年頃まで、今後、30年間続くことになるという。
つまり30年後に年金が1、2割も目減りをする?-ということを意味している。
すでに一昨年から今年4月までの間、もらい過ぎ年金(特例水準)が調整され、年金が減額(-2.5%)されている。この高止まり年金が解消された後、条件がそろったとしてマクロ経済スライドが発動される。
例えば、今後は物価(賃金)が1%伸びたとしても、スライド調整(1%程度)をして年金額は抑制される。
厚生年金額は、大よそ現役世代の手取り収入の6割程度を支給しているが、この調整で、約30年後には5割程度に給付水準が下がる。
将来的には、年金の支給年齢が65歳から68~70歳に繰下げられ見通しで、今後の生活設計では健康維持+仕事(稼ぐ)が重要テーマだ。
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