教育訓練投資、下げ止まりの兆し ~他社との差別化追求に不可欠74%~
企業活動の健全な維持・拡大には様々な投資が不可欠である。しかし過去10年間、製造業、非製造業ともに減少または横ばいだったのが教育訓練投資だった。厚労省の(独法)労働政策研究・研修機構のレポートによると教育訓練投資の下げ止まりの兆しが注目されるという。
レポートによると教育訓練投資が、今後は「増加傾向」で推移すると回答した企業の理由(複数回答)でもっとも多かったのは
①「商品・サービスの高付加価値化(他社との差別化の追求)」で73.9%にのぼった。これに
②「管理職のマネジメント力(人材育成力)の低下」(69.6%)が続き、
③新規学卒など若年採用の増加(43.5%)が上位3つ。以下、
④女性や高齢者、障害者など多様な労働力の活用(39.1%)
⑤(人手不足に伴う)未熟練・中途採用の増加、および
⑥省力化(生産性向上)の追求(同率の34.8%)の順となっている。
これを製造・非製造別にみると、いずれも「管理職のマネジメント力の低下」や「商品・サービスの高付加価値化の追求」が高い。
ただし製造業では「若年採用の増加」や「多様な労働力の活用」等が、非製造業では「省力化」や「未熟練・中途採用の増加」等が多くなっている点で、違いが明確だ。
団塊世代の大量退職で熟練者不足の顕在化が新卒採用を増やし人材不足対策と景気回復への乗り遅れへの心理的な焦りも助長しているのではないか。
« マクロ経済スライド、初の発動か? ~年金減額調整、物価上昇に連動せず~ | トップページ | 未成年者対象のジュニアNISA創設 ~NISAの投資上限額120万円に引上げ~ »
「市場創出・就職・人材」カテゴリの記事
- 2021年日本の労働生産性は27位 時間当たり労働生産性は5006円(2023.01.04)
- 税理士試験の合格者数は620人 最難関科目は消費税法の11.4%(2022.12.02)
- 22年公認会計士試験の合格者 11年ぶりに高水準の1456人(2022.11.23)
- 「後継者問題」が急速に改善へ 22年後継者不在率、初の60%割れ(2022.11.18)
- 2022年の女性社長は58.4万人に 12年間で2.7倍増と大幅に増加(2022.11.11)
「企業」カテゴリの記事
- インボイス制度を見直す税制改正 納付税額を消費税額の2割に軽減(2023.01.18)
- 創業100年以上の老舗は4.3万社 社寺建築の金剛組は業歴1445年(2023.01.11)
- 2021年日本の労働生産性は27位 時間当たり労働生産性は5006円(2023.01.04)
- 9月中間決算GC注記企業23社 重要事象記載は62社と高止まり(2022.12.21)
「中小企業」カテゴリの記事
- インボイス制度を見直す税制改正 納付税額を消費税額の2割に軽減(2023.01.18)
- 2021年日本の労働生産性は27位 時間当たり労働生産性は5006円(2023.01.04)
- 9月中間決算GC注記企業23社 重要事象記載は62社と高止まり(2022.12.21)
- 2021事務年度法人税調査を公表 申告漏れ所得金額6028億円把握(2022.12.14)
「景気・世論・日本人」カテゴリの記事
- 春まで続く食品値上げのラッシュ 今月580品目、来月4000品目超(2023.01.23)
- 創業100年以上の老舗は4.3万社 社寺建築の金剛組は業歴1445年(2023.01.11)
- 2021年分相続税の申告状況公表 課税割合15年以降最高の9.3%(2023.01.10)
- 2021年日本の労働生産性は27位 時間当たり労働生産性は5006円(2023.01.04)
- 地方交付税不交付団体を再算定 当初算定より6団体減の67団体(2022.12.26)
« マクロ経済スライド、初の発動か? ~年金減額調整、物価上昇に連動せず~ | トップページ | 未成年者対象のジュニアNISA創設 ~NISAの投資上限額120万円に引上げ~ »
コメント