食料品への線引きや事務処理が困難 ~軽減税率導入で62団体から意見聞く~
食料品など生活必需品を対象に消費税率を本来の水準より低く抑える「軽減税率」。自民与党は低所得者対策として軽減税率導入の議論を進めていたが、7~8月で62の業界団体、経団連、全国消費者団体連絡会、日商、JA全中(農協)等からのヒアリングを終えた。
昨年と違うのは今回のヒアリングの特徴は軽減税率の対象とする品目をまとめた8つのケースを示したこと。「すべての食料品と飲料」とした場合や「米・みそ・しょうゆ」に絞った場合、「酒を除く」などで、税収がどれだけ減るか、試算も示した点だ。経理処理の試案も4通り示した。主な団体で賛成派(条件付き含む)は消費者や生産者の団体。全国消費者団体連絡会は「低所得者対策は必要」として「導入する場合はすべての食料品と飲料を対象とすべきだ」という意見。JA全中や全漁連も「消費の落ち込みが心配」なので「食料品を幅広く対象」とした。
反対派は主に経済団体や流通業者の業界団体。代表は経団連で「導入で税収が減れば社会保障の予算に影響し事業者の事務負担も増える。低所得者対策としての効果も薄い」と高所得者には恩恵があるとした。日本百貨店協会や日本スーパーマーケット協会は「対象品目に線を引くのは難しい、取引先も含めて事務負担が増えるため単一の税率を維持すべき」と表明。意見は「食料品全部に導入」(品目の線引きなし)がすう勢だ。
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